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とある六位の火竜<サラマンダー>
都市伝説
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ながらも画面確認。今度は初春飾利の文字。

「初春なら無理に誘うようなこともしないだろ。初春に断わっとけば佐天もあきらめるだろうし……」

そこで蓮が可能性を考えなかったのは寝起きで頭が働いていなかったからだろうか。初春と佐天が一緒にいるという可能性を。

「もしもし、初春?今日はちょっと家で……」
『なーんであたしからの電話にはでないで初春からの電話にはでるのかなぁー?』
「さ、佐天……さんなんでしょーか……?」
『言い訳は?』
「……ないです。佐天からの電話だと遊び断われる自信がありませんでした。ごめんなさい。」

声色はあくまでも明るい。しかし隠し切れない負の感情がにじみ出ている。電話越しでも目が笑っていないであろう笑顔が目に浮かぶ。こんな時は素直に謝るに限る。多少おふざけで怒っている雰囲気を出しているところもあるだろうが嫌な思いをさせたのは事実だ。

『まったく……まあいいよ。神谷のそういうところには慣れてるし今更だし。それより今から初春と白井さんとお茶しに行くんだけど来ない?松野も今呼ぶけど。』
「いや、俺は今日は家でゆっくり……」
『白井さんがおいしいケーキ屋さん知ってるんだってさ。』
「しようなんて思ってないしせっかくの誘いを断るのも失礼だよな。すぐ行く。」
『……神谷ってホント甘党だね……。じゃ駅前で待ってるね。』

佐天のあきれたような言葉を最後に通話を切ると蓮はすごい勢いで準備を始める。初春からの着信だったとしても断れなかったんじゃないかという指摘は認めない。ケーキの魅力の前にはそんなのは些細なことだ。蓮にとってはケーキなどのスイーツはそれだけ重要な位置をしめているのだ。





「お、神谷じゃん。おはよっす」
「こんにちは、松野。」

駅に向かう途中に松野と会い、寝起きなのか昼過ぎにおはようと言ってくる松野にからかい半分であいさつを返しながら合流する。あの後佐天から松野にも連絡があり、松野も断り切れずに参加することになったらしい。

「今日は家でゆっくりしようと思ってたのになぁ……。神谷もそういってなかったっけ?なんか御坂さんたちと知り合ってからこっち忙しかった気がするから休むって。」
「そうなんだけど誘われたら断るのも失礼かと思ってさ。」
「ケーキに釣られた?」
「そ、そんなまさか。」
「釣られたんだな……」

松野が蓮が休日にわざわざ出歩いている理由を把握したころ、駅に到着する。そこでは白井に身を寄せて1台の携帯に耳をすます3人の姿。

「あ、いたいた。おーい。」
「あら、神谷さんに松野さん。ごきげんよう。」
「2人とも!大変だよ!」
「「大変?」」

1人落ち着く白井となぜかわくわくしている佐天と初春を見て蓮と松野は首を傾げた。




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