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転生とらぶる
マブラヴ
0850話
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光線級のレーザーを全く相手にもしていなかったようですし……」

 笑みを浮かべてそう告げてくるのだが、シロガネ、ニヴルヘイム、ニーズヘッグと話が移っていく度に握られている手に込められた力が増していく。

「うふふふ。あんな常識外れの存在を普通に運用しているなんて……あたしとしても色々と予想外でしたわ」

 うふふふとか笑っているが、目は決して笑っていないように見えるのは俺の気のせいではないだろう。いや、目が笑っていないのは最初からか。
 だが、生憎軍人ですらもない香月に力の限り握られたとしても、特に痛みを覚える事はない。気にした様子も見せず、先程から疑問だった事を尋ねる。

「香月だったか。見た感じ軍人にも見えないし、自分でも科学者だと言っていたが……それが何故基地の副司令官に?」

 そう尋ねた瞬間、俺の手を潰さんとばかりに力の限り握りしめていた香月が、ふっと我に返る。
 そしてビルを始めとして俺達の様子を窺っていた政治家達がピクリと反応したのに気が付く。
 どうやら不味いところを突いたらしい。

「ああ、別に言えないようなら無理に聞こうとは思わないから、安心してくれ」
「……いえ。シャドウミラーはこの世界と対等に付き合っていくとか。そしてアクセル代表は、そのシャドウミラーの代表。……で、あれば話しても構わないのでは?」

 チラリとビルの方へと視線を向けてそう声を掛ける香月だが、視線を向けられた本人は少し考えてから口を開く。

「さすがにこの件を私だけの判断で決めるわけにはいかないな。国連の方で決議を採らなければ」
「あらあら、国連を傀儡にしていると噂されている米国の大統領にしては随分と気弱な発言ですわね」
「ミス香月。デマを流すのは止めて欲しいな」
「あら、失礼」

 お互いに腹黒いやり取りをしているのを見る限りでは、やっぱりこの2人の関係は良好という訳では無いのだろう。

「では、アクセル代表。是非またいずれお会いしたいですわね。特にシャドウミラーの交流している世界には非常に興味がありますし」
「そうだな、交渉の窓口はオーストラリアだから、何か希望があるのならそっちから申し込んでくれ」

 その言葉に、一瞬ではあるが舌打ちしそうな表情を浮かべる香月。ビルもまた同様だったが。
 もっとも、それはあくまでも一瞬であり、すぐにまたにこやかな顔に戻って口を開く。

「ええ、では是非そうさせて貰います。色々と相談したい事もありますから」

 笑みを浮かべ、優雅に一礼をすると去って行く。
 その後ろ姿を見送り、ビルもまた政治家達と共に用事があるからと去って行くと、待ってましたとばかりに、次から次へと他の国の代表達が話し掛けてくる。
 結局パーティが終わるまではそっちの相手で精一杯で、料理を
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