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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第九話 反逆者の特権
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に思っていませんか?」
「少なくとも小官の艦隊ではそのような事は有りません。連戦連勝、将兵は勇み立っております」
エーリッヒの問いにルーディッゲ少将が答えた。他の司令官達もシュターデンを除いて頷いている。エーリッヒが俺を見た、本当か? そんな感じの視線だ。大丈夫だ、間違いない、将兵達は出撃を喜んでいる。自分達は宇宙最強の艦隊なのだと信じている。士気は高い。
「今回出撃の目的ですが敵艦隊の撃破では有りません」
分艦隊司令官達が顔を見合わせた。声は出さない、視線をエーリッヒに戻した。
「オーディンを攻略します」
今度はシュターデンを見た。シュターデンが以前唱えたオーディン攻略作戦を思い出したのだろう。シュターデンは視線にたじろぐ事無くエーリッヒを見ている。分艦隊司令官達が視線をエーリッヒに戻した。
「オーディンでは二つの事をします。先ず一つ、物資を奪います。オーディンに有る補給物資を全て強奪しガイエスブルク要塞に運びます」
「全てですか、かなりの量になります。運ぶと言っても輸送船が……」
「問題は有りません、アーベントロート中将。輸送船も全て奪うのです」
「……」
「運べない分は使えないようにして廃棄します」
分艦隊司令官達が顔を見合わせた。
「物資と輸送船を奪う、ローエングラム侯の補給線を破壊しようという事か」
ルーディッゲ少将が呟くとエーリッヒが“その通り”と言って頷いた。
「オーディンで行う事の二番目は人攫いです」
今度は皆が頷いた。対象者が誰か想像がついたのだろう。
「先ず、エルウィン・ヨーゼフ」
会議室に声にならない驚きが起きた。予想外だったとは思わない、エーリッヒは皇帝に対していかなる敬意も示さなかった、その事への驚きの筈だ。
「次に帝国宰相リヒテンラーデ公爵、彼の政務補佐官ワイツ」
驚きに気付かぬようにエーリッヒが言葉を続ける。空気が痛いほどに張り詰めた。
「それからグリューネワルト伯爵夫人、マリーンドルフ伯爵家のヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ」
「……」
「以上の五人、一人も欠ける事無く攫って貰います」
否を言わせぬ何かが有った。身動ぎもせずに皆が聞いている。
「アントン、例の物を配ってくれ」
役割分担表を皆に配った。オフレッサーはリヒテンラーデ公とワイツ補佐官。リューネブルク中将は皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世。マリーンドルフ伯爵家には俺が、そしてグリューネワルト伯爵夫人の元にはエーリッヒが自ら赴く。シュターデン大将はオーディン周辺の哨戒任務、他の司令官達はシュムーデ中将の指揮の下、補給物資の収奪、輸送の手配を行う。
「オーディンではモルト中将が三万の将兵を擁していると聞きます。制圧に手間取ると逃げられる可能性が有りますが……」
アーベントロート中将が恐る恐
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