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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第九話 反逆者の特権
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ト中将、ヴァレンシュタイン大将、フェルナー少将の四人は自然と俺の部屋に向かった。紅茶を四つ用意するとオフレッサー上級大将とリューネブルク中将が訪ねて来た。どうやら見計らって来たらしい。紅茶を二つ追加だ。皆でテーブルを囲んだ。

「次の出撃は何時だ?」
オフレッサー上級大将が唸るような口調で問い掛けてきた。
「会議を要請していたほどだ、早いのだろう?」
オフレッサー上級大将が皆の顔を見回した。フェルナーが呆れたように苦笑を浮かべた。
「十日後には出撃です。但し我々の艦隊だけです」

オフレッサー上級大将が満足そうに頷いてリューネブルク中将を見た。そして“当たったな”と言った。
「当たったとは?」
「早いだろうと予測したのはリューネブルクだ、クレメンツ提督。こいつが予測したのはもう一つある。デカい戦いになる、そうだな」
最後はヴァレンシュタインの顔を覗き込むようにして問い掛けた。ヴァレンシュタインが声を上げて笑った。珍しい事だ。

「大きくなるかどうかは分かりません。しかし退屈はしないでしょうね。今回は閣下とリューネブルク中将にも働いて貰います」
オフレッサー上級大将とリューネブルク中将が顔を見合わせている、二人とも嬉しそうだ。まるで獲物を見つけた肉食獣だな、どちらが先に獲物を獲るか、そんな表情だ。

「但し、死に場所を用意したわけでは有りませんから生きて戻って貰います」
「なるほど、まだまだ先に楽しみが有るという事だな」
オフレッサー上級大将が二度、三度と頷いた。そして“おい、リューネブルク”と中将に声をかけた。
「何でしょう?」
「卿が何故この男と共にいるのか、俺にも分かって来たぞ。中々楽しい男ではないか、ワクワクしてきた」
部屋に笑い声が満ちた。ヴァレンシュタインも苦笑している。

「我々を使うという事は地上戦が発生するという事ですが場所は何処でしょう? まさかとは思いますがレンテンベルク要塞、ですか?」
「いいえ、違います。オーディンです」
リューネブルク中将が目を瞠って“オーディン”と呟いた。オフレッサー上級大将は唸り声を上げている。それを見てヴァレンシュタインが笑みを浮かべた。そして“但し直ぐに撤退します”と言った。

「貴族連合軍は圧倒的に不利な状況にあります。しかしローエングラム侯にも弱点が無いわけでは無い。今回はその弱点を突こうと思います」
「その弱点がオーディンか」
「正確には守るべき拠点が多過ぎるという事だね、アントン。リューネブルク中将が言ったようにレンテンベルク要塞も守るべき拠点の一つだ」

なるほど、貴族連合軍はガイエスブルク要塞に固まっている。ローエングラム侯が攻め寄せれば後方に有る侯の重要拠点は比較的手薄だろう。特に現状ではミッターマイヤー、ケンプの二個艦隊を失っている
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