なんの花?
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適正訓練は普通だった
俺の成績はまぁ中くらいであろう
まぁ別にこの成績でもいい
憲兵団なんか狙ってないし、俺が狙っているのは調査兵団
壁外に出て、早く母さんを喰ったあいつを…”取り除かなくては”
だから力を付けて、でも中間を維持する
それが俺の、今のやり方だ
それに、その方が面倒事に巻き込まれない
今の現状は、エレン・イェーガーが上手いやつに話し込んでいる
恐らく今日の適正訓練であろう
頭に包帯を巻いているのを見ると、頭を強くぶつけたらしいな
それより気づかないのかエレン・イェーガー
あの動きは少し不自然だぞ?
確かに下手なやつはああなると思うが、正直俺はあんな思いっきり後ろに行くのは少し不自然と感じた
……まぁいいか。どうせ俺の所に来ないし
俺は中間を維持しているから問題な____
「なぁ」
問題あった
俺は動いていた手を止めてしまった
そして声を掛けてくれた相手の顔を見る
そこには、エレン・イェーガーがいた
「……………」
「あんた……いや、ミウラだろ?」
こいつ、覚えていたのか
忘れていると思っていた
いや、普通は皆知っているのだが、俺は教官にも名前を呼ばれなかったし、俺自身も名を名乗っていない
だから知っているやつはゼロに近い
だからだ。俺はこいつの記憶の良さに少し驚いていた
第三者から見れば無表情だが
「……………」
「………なぁミウラ。出来れば何かコツを聞きたいんだけど…」
何故それを俺に聞くと俺は本気で思ってしまった
俺は中間だぞ?上は…全員聞いたか
「知らん」
俺は一言で終わらせた
だがあっちは引き下がらなく
「お願いだ??」
と、頭まで下げてきた
やめてくれよ、皆こっちを見てるじゃないか
「何故俺に聞く、俺は真ん中くらいの成績だぞ?」
俺はそう言うとエレン・イェーガーは顔を上げた
「……勘、かな」
は?と俺はつい零してしまった
勘で俺に?馬鹿なのかこいつ
するとまたエレン・イェーガーはお願いだ??と頭を下げてきた
…………………仕方ない
「ヒント、ベルト」
「…………ぇ?」
エレン・イェーガーの返しを無視し、俺は食堂を一足先に出た
外は少し肌寒かった
「ッ…ふぅ」
俺は階段の所に座った
そしてその隣で咲いていた。極小さな花を見つめる
「……お前達は、ひっそりと生きていた…誰にも…気付かれずに」
影の重なるように、この花達は存在が薄かった
それはそうだろう。何故なら人差し指一本だけで寄せられる小さな花なのだから
「影に重なりながら、我安眠する…なんてな。意味わかんねー」
…………俺は
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