二十四章 幕間劇
美空と久遠の黒歴史
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「あなた達はむしろ御大将をけしかける側じゃない・・・・」
「えーそんな事ないっすよー」
「きのせい」
「何が気の所為ですか。ほら、前に北条と戦った時だって!」
「あれは楽しかった」
「楽しかったじゃありません!」
「何か聞いていますと他にもありそうですね、隊長」
「掘ったら掘ったでどんどん出てきそうだが他のも何かあったのか?」
以前の話になるが、相模から北上してきた北条の軍勢が、上野にあった長尾の城を取り囲んだ事があったらしい。上野の要衝だったのか、長尾も美空自ら兵を率いて救出に向かったんだと。敵の包囲が厚かったのか、中々城まで近づけなかったらしい。
「そんで?そこからどうなったんだ。美空の事だから、夜襲からの三昧耶曼荼羅か護法五神で敵の本陣吹っ飛ばしたのか?」
「・・・・それならまだマシだったのですが」
秋子から聞くにそれならまだマシだったので、それ以上のとんでもない策でも使ったのか?秋子のリアクションから考えると、相当っぽいな。柘榴と松葉と少数の騎兵を連れてと言うから、久遠の田楽狭間みたいなのかなとも思った。あの時は敵に指揮官に奇襲を仕掛けたからな、上空から見ていたが敵指揮官は鎧を脱いでたな。
「そのまま敵陣に並足で・・・・」
「おいおいおいおい・・・・・」
並足って事は、普通に馬を歩かせたという事なのか。
「呆気に取られた敵を尻目に、そのまま堂々と城内へ・・・・」
「何だか頭が痛くなってきた・・・・。相当無茶苦茶だな」
「私達の部隊でもそういう策は実行しませんよ?隊長ならそんな風にはしませんが」
「いやー。あれは流石にドキドキしたっすね」
「そう思ったら止めて下さい!」
「でも、城の兵も奮起した」
「兵は奮起したかもしれないけど、私は気絶しかけたわよ・・・・」
「まあ落ち着け落ち着け・・・・」
「今は笑い話」
「そうそう。北条も追い払えたんだから、全て良しっす」
「笑えない話をしてるんですー!一真さんはお願いですから、この子達みたいに御大将を焚き付けるような真似はしないで下さいね・・・・?」
そう懇願されちゃ、あれなんで了承しといた。俺は無理な戦いはしない主義だから、そういう戦い方はしない。量より質だけど、武装にもよるけど。今まで無茶苦茶やるのを止められるというのは、あまりなかったかもしれない。秋子が失神するぐらいだから、相当無茶苦茶な戦法を使ったか猪だったのかは知らんが。
「・・・・え?でも一真も人の事は言えないわよね?」
「・・・・はい?」
「一真もあるのよ。目と鼻の先で鉄砲を構えたとしても、相手の鉄砲を無力化したり弾を避け続けて行ったりしていったんだから」
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