空白期 第23話 「祝福の風」
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るように思える。シュテルとの出会いで触発でもされたのだろうか。
「やめろ。ったく、何でお前はそうなんだ。もう少しディアーチェを見習えよ」
「ん……はは〜ん、ショウくんは王さまに気があるんか。でも見た目はわたしと同じやし……あぁ、引っ張ってくれそうなのがええんやな」
「お前なぁ……だから何でそういう話になるんだよ?」
「そうか、そうか……ショウくんも成長しとるんやな。でも何か複雑な気分や……弟が違う姉を慕ってるみたいで」
……聞いてないし。というか、いつ俺がお前のことを姉として慕ってるって言ったよ。家族のように、とは言ったことがある気がするが、姉とは言ってないと思うぞ。
それにこのまえ、こいつはディアーチェに姉になってとか言ってたよな。そんな相手に嫉妬心を抱くなよ。そもそも俺が末っ子扱いか……まあディアーチェの誕生日知らないからどうなのか分からないけど。
「はぁ……お前も成長してるよ」
「そう? でも今のため息や言い方からして悪い意味にしか聞こえん」
「まあそうだからな。ただ……前よりも明るくなったというか、強くなったようにも思う。もう俺が身近にいなくても大丈夫……」
不意にはやてが抱きついてきたので、俺は言葉を詰まらせた。はやても魔法に関わり始めた以上、前のように泣きそうになるとは思えないが、ここ最近はふざけている姿ばかり見ていたので不安にもなる。
「お、おい……」
「……ありがとう」
「ありがとう?」
いったい何に対しての礼なのだろうか。振り返ってみても、これといったはやてから礼を言われるようなことをした覚えはないのだが。
「今わたしがこうしておれるんはショウくんのおかげや。辛いとき、苦しいときはいつも一緒に居ってくれた。わたしのために必死で戦ってくれた……そして、あの子のために危険を冒してまで頑張ってくれた」
「え……」
「何やその顔。デバイス関連のお仕事しとるとは聞いてたし、ユニゾンデバイスがどういうもなんかくらい調べるやん。それに長年の付き合いやろ。わたしが分からんとでも思ってたんか?」
「いや……まあ可能性としてはありえるな、とは思ってたけど。……怒ってないのか?」
「怒ってるというか思うところがあるのは確かやけど……仕事の一環やったろうし、わたしのためにって気持ちも嬉しいからなぁ。何よりこうして元気でおるんやから何も言わんよ」
はやては穏やかに笑ってから再度抱き締めてくる。
――やれやれ……この小さな狸には敵わないな。というか、普段もこんな感じで居てほしいんだけどな。ふざけるやつはあいつだけで充分だし。
などと考えていると、目の前に約30cmほどの女の子が浮遊していた。彼女は子供らしい笑みでこちらを見ている。
「ショウさんとマイスターはやては、とっても
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