暁 〜小説投稿サイト〜
剣の世界で拳を振るう
世界樹へ
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「それじゃ、乾杯」

「「乾杯」」「乾杯です」

あの後、無事に近くの町、《スイルベーン》へと到着した俺達は、
到着直後に一悶着あったものの、酒場へと移って食事の席へとありついた。

「取り合えず助けてくれてありがとう。
そう言えば色々と教えてほしいって言ってたけど、具体的にどんなこと?」

リーファは飲み物を一口飲んでから話を始めた。

「世界樹ってやつのことを教えてほしいんだ。
俺は世界樹の上に用がある」

「世界樹の……それって多分、全プレイヤーが思ってることだと思うよ」

「……どういうことだ?」

キリトはリーファの答えに聞き返す。

そもそも世界樹の上に行くためには、その根本にあるグランドクエストなるものをクリアしなくてはならないと言う設定だったはずだ。
そのクエストとは、襲い来るガーディアンを掻い潜り、天へと連なる門を開けると言うもので、
言ってみれば簡単だが、実際は無理ゲーなのだ。
先ず遠い。その次にガーディアンの数が尋常じゃない。
そして……開かない。

ゲーマーの心をへし折るこのクエストは、プレイヤーの意思を未来へと遠ざけ、
このクエストに挑む準備や合併、同盟を行う時間を浪費させるものだ。

運営に問い合わせても、『このゲームバランスは妥当なものであり…』と、聞く耳を持とうとしない。
当たり前だろう。
世界樹には、プレイヤー達が夢見る様な場所は無く、研究所の様な室内に、
モルモットにされているSAOプレイヤーが300人幽閉されているのだから。

「だからさ…何れクリアに向ける時が来るのを待つのが手っ取り早いんだよ」

「それじゃ遅すぎるんだ!」

バタンッと机を叩いて立ち上がるキリト。
その様子をリーファとユイが心配そうな目で見つめる。

「…ごめん、スグ。でも俺、どうしても行きたいんだ」

「……パパ」

「……わかった。
なら私が付いていってあげる。道案内だって出来るし、必要なことも道なりに教える」

リーファが立ち上がり、胸に手を当てて言い切った。
キリトはその様子を驚愕の表情で見た。

「でも「キリト」…ケン?」

「こうなればもう 無関係ではいられない。
ス…リーファも連れていき、何とかして世界樹へたどり着くのが妥当なんだ」

俺はキリトを宥め、リーファを見つめた。

「理由は行きながら話す。
だから頼んでいいか?世界樹まで」

「うん!任せて!」

「なら今すぐ…」

「待てコラ」

颯爽と立ち上がって出ていこうとするキリトの襟首を掴み、
引き寄せるように椅子に戻す。

「キリト…そんな装備で大丈夫か?」

「え?……問題ない」

「大有りだ馬鹿野郎。
リーファ、武具を取り扱っ
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