暁 〜小説投稿サイト〜
横浜事変-the mixing black&white-
物語は一人の人物が思い描く色に染まっていく
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を聞かせてください』

 そんな赤島に続いて、局長の声が鼓膜を打つ。

 『それについては悪かった。だが安心してくれ。本部は復活させたし、ヘヴンヴォイスとも手を打った』

 「……局長」

 『ん、その声は大河内君か。ああ、そうだね。君には申し訳ないことをしたと思っているよ』

 その言葉はどこか素っ気なく、実際の声色も謝っているにしては明朗なものだった。きっとそう感じてるのはあたしだけじゃないな、と鈴奈は心中で呟いた。

 『初めに接触したときの君の食い付きが予想以上でね、そんなに組織を拒んでいたのかと驚いたよ。でもそのおかげで私は自分の計画をここまで持ってくることができた』

 『え、それってどういうことすか?』

 法城の上ずった声が電話越しに聞こえてくる。それについては鈴奈も詳しく聞きたかった。彼女はチームA〜Cの仕事から外れた役割を担っているので、全てにおいて蚊帳の外だった。一体この組織に何があったのかはともかく、組織の長が何を考えているのかは把握しておきたかった。

 局長がわざとらしい困り声で語り出す。

 『ううむ、どういったものか。私の真意は話せないが、これまでの全ては私の思惑通りで、それを表で動かしていたのが大河内君だったというわけだ。そして今、私は彼を裏切り、君達とも手を打ちたいと考えている』

 『は?』

 誰かが間抜けな声を出した。その次に耳に流れ込んできたのは宮条の声だった。

 『つまり局長は、私達を潰す気ですか?』

 「!」

 ――それってあたしも含まれるの?

 咄嗟にそんな考えが浮かび上がり、無意識でかぶりを振った鈴奈。それでも会話は彼女の心情など知らずに進行していく。

 『大まかに言ってしまえば、そうかもしれない』

 「ちょ、ちょっと!それはおかしくない!?」

 と、そのとき彼女の視界がどんどん白い閃光に包まれていった。街灯以上に膨れ上がる光源に腕をかざす。まるで怪盗が警察に見つかってライトを浴びせかけられたかのような――

 「え?」

 徐々に収まりを見せる無数の光に腕をどかした鈴奈。だが次に広がっていた光景は痛いぐらいに突飛なものだった。

 自分と大河内の前に一台の車が停まっていたのだ。中に乗っている人物は光の反射で窺えず、エンジン音が犬の威嚇さながらの勢いで彼女の腹部を轟かせる。

 そして頭上からも激しいライトの束を当てられた。急いで顔を上に向けて、彼女は久しぶりに背筋を震わせる感覚を味わった。

 「なんでヘリコプターがいるのよ……?」

 自分達を見下ろすようにして同じ場所を行ったり来たり旋回しているのは、よくテレビで見られる数機のヘリコプターだった。ドアは半開きで、そこから誰かがマイクを持って
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