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横浜事変-the mixing black&white-
物語は一人の人物が思い描く色に染まっていく
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女、あたしを無視しやがった……!」
鈴奈の怨嗟に燃える視線を、やはり涼しい顔で受け流す社長。彼女は元来た道を歩き出し、その後ろを大男とヘヴンヴォイスが着いて行く。
やがて彼らの姿は視界から消え、そこに残ったのは殺し合いに身を委ねていた横浜の殺し屋達だけだった。
*****
「で、アンタはこれからどうすんの?こんな下らない遊び、誰も興味ないわよ?」
依然と嘲笑を浮かべている鈴奈が大河内に話しかける。だが大河内は何も発さず、じっと地面を見つめていた。
「アンタといい白人の女といい、無視すりゃ解決するってわけじゃないのよ?刑務所の前に放り投げられてもいいの?」
苛立たしげに言いながら彼女はブレザーから携帯を取り出す。そこでちょうど着信が入り、彼女はディスプレイに表示された番号を見た。
「誰?迷惑電話もいい加減にして、よ、ね……?」
少しずつ言葉に強みがなくなっていく鈴奈。彼女は気付いた。
この周囲から様々な着信音が鳴り響いてるという事に。
携帯の初期設定において既定されている単調な電子音、ドラマの主題歌、芸人のネタを連続的に発するものなど、今の自分達からしてみればとても滑稽に思える音の群が、一帯を占拠しているのだ。
すぐ近くにいた大河内を見てみると、彼も右手に持った携帯から着信がきていた。虚ろな目をぼんやり灯る画面に向けて直立している。
とはいえ、わざわざ『携帯に出ろ』と促す事はせず、彼女は恐る恐る受話口に耳を当てた。そして通話越しに繋がっている相手の声を聞いて驚嘆の顔を作った。
『やあやあ殺し屋統括情報局の殺し屋諸君。今日まで生き残れたのはまさに奇跡の連続と言えよう』
「……局長?」
その声は鈴奈のものではなく大河内だった。受話口と肉声どちらからも聞こえてくる彼の声に、鈴奈は驚きの表情を疑問に変えた。
『ふむ、どうやら多地点通話は出来ているようだ。これで殺し屋統括情報局の殺し屋だけに話をすることができる』
「多地点通話?何よそれ」
当然の疑問に電波の先にいる初老の声はすぐに反応した。
『その声は玉木君だね。私の指示通り動いてくれて助かったよ。閑話休題。多地点通話についてだが、これは電話を掛けた私を軸に複数の人間と繋がり合うのを可能にしたシステムだ。まさに外部を封じた珠玉の手法だと言えるだろう』
『それよりも局長、今まで何をしていた?』
そこで耳に赤島の声が流れてきた事で、鈴奈は本人を前にしたわけでもないのに喜色満面になった。
「赤島さん!久しぶりです玉木鈴奈です!」
すると電話越しに赤島の押され気味な声が耳に刷り込まれていった。
『あ、ああ。久しぶりだな。で、局長。理由
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