アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第六話 決闘の挑戦状
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を登っていく。そして、一つの無表情な鋼鉄の前でアスナとルナが足を止めた。一呼吸おいて意を決したようにアスナが扉をノックし、答えを待たず開け放つ。そこには中央に巨大な机が置かれ、その向こうに並んだ五脚の椅子にはそれぞれの男が腰かけていた。その中央に座る男が聖騎士の名を持つプレイヤー、ヒースクリフである。だが、それだけではなかった。もう一人、壁に腕を組んで寄りかかっていた。その人物を見たアスナとルナは驚いていた。滅多に姿を見せない人物がそこにいたからである。なぜ、ここにいるのか疑問に思った二人だが、今はそんなこときにしている暇がないのかアスナとルナが机の前まで歩みより一礼してから言った。
「「お別れのあいさつに来ました」」
「そう結論を急がなくてもいいだろう。彼らと話をさせてくれないか」
アスナとルナの言葉に苦笑し、キリトとソレイユを見据えた。
「久しぶりだね、ソレイユ君。そして、キリト君とはボス攻略以外の場で会うのは初めてだったかな」
「お元気そうで何よりですよ、団長殿」
「いえ・・・前に、六十七層の対策会議で少し話しました」
敬語で話すソレイユとキリト。しかし、ソレイユの言葉には少しばかり皮肉めいたように聞こえる。
そんなことは意に介さず、ヒースクリフは軽く頷くと、机の上で両手を組み合わせた。
「あれはつらい戦いだったな。我々も危うく死者を出すところだった。トップギルドなどと言われても戦力は常にぎりぎりだよ。なのに君たちは、我がギルドの貴重な主力プレイヤーを引き抜こうとしているわけだ」
「貴重なら護衛の人選に気を付けたほうがいいですよ」
ぶっきらぼうに言うキリトに机の右端に座っていたいかつい男が血相を変えて立ち上がろうとしたが、ヒースクリフが手で制してキリトに言った。
「クラディールは自宅で謹慎させている。迷惑をかけてしまったことは謝罪しよう。だが、我々としてもサブリーダーを引き抜かれて、はいそうですかという訳にはいかない」
「それならあっちのほうが務まるんじゃありません?」
そういってソレイユは壁に寄りかかっている男を指す。それを見たヒースクリフは表情を変えずに言った。
「彼には新人の教育を任せている。まだ不慣れな新人が多いものでね」
「あっそ」
ヒースクリフの言葉にそっけなく返すソレイユ。そして、ヒースクリフは二人を見据えて言った。
「キリト君、ソレイユ君。彼女らを欲しければ剣で―――≪二刀流≫と≪剣聖≫で奪いたまえ。私と戦い、勝つことができれば二人を連れて行くがいい。だが、負けたら君たちが血盟騎士団に入るのだ」
「「・・・・・・」」
ヒースクリフの言葉を聞いて、黙り込むキリトとソレイユ。しかし、今まで黙っていたアスナが我慢しきれないという
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