第十話 一戸大尉！日舞は日本起源！その七
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「釈由美子さんか」
「ああ、女優の」
「いやいや、あの人今でもグラビアになってくれるだろ」
「そういえばそうか」
「それにだよ」
それに加えてとだ、尚武は兄に返す。
「スタイルもいいしな」
「抜群にいいな」
「だからな」
「あの人がいいっていうんだな」
「そうだよ、だからな」
それでというのだ。
「今回はな」
「釈由美子さんか」
「あの人にしようぜ」
「そうだな、あの人だな」
尚武も兄の言葉に頷いた。
「いいな」
「そういうことでな、じゃあ決まりだな」
「釈由美子さんだな、それとな」
「それと？」
「俺達今金あるだろ」
「バイトしてるからな」
ジャスティスカイザーの給料だ、二人にとってそれはアルバイトなのだ。正職とは考えていないのである。
「あるな、確かに」
「それもかなりな」
「じゃあその金でな」
「何か食いに行かねえか？」
これが尚武の提案だった。
「ファミレスか中華な」
「中華か、じゃあな」
「何処行くよ、中華だと」
「中華街行こうぜ」
神戸の中華街だ、他の作品でも書いているが八条町は神戸市長田区にある。町なのに神戸市より大きそうな設定であることは気にしてはいけない。
「あそこで豪遊しようぜ」
「いいな、じゃあ中華街行くか」
「あそこなら美味い店一杯あるしな」
「だよな、ラーメン食って炒飯食って」
「あと飲茶でな」
その飲茶の料理はというと。
「蒸し餃子に焼売、饅頭に小龍包な」
「豪勢だな」
「酒はあれだよ、桂花陳酒だよ」
「おお、本格的だな」
「あれが一番美味いだろ」
「中国の酒だとな」
作者も好きだ、杏酒もいい。
「あれが一番だよな」
「それで八宝菜とかも食ってな」
「デザートも食ってだな」
「デザートは杏仁豆腐にごま団子だよ」
中華料理の定番である、これもまた。
「そういうのも食ってな」
「楽しもうか」
「それじゃあな」
こう話してだ、そしてだった。
彼等は中華街に行って豪遊した、具体的に言えば飲んで食いまくった。そして悪田部にも彼の事務所でこのことを話したが。
悪田部は二人にだ、その三白眼を見せながら問うたのだった。
「金の使い方は人それぞれだ」
「ですよね、それは」
「飯食ってもいいですよね」
「飲んでも」
「そうして遊んでも」
「そうだ、借金をしても踏み倒せばいい」
こうしたことも言う悪田部だった。
「アコギな相手からはな」
「ウシジマ君みたいな人に借りてもですか」
「踏み倒せばいいんですか」
「借金はまともな相手にしなければならない」
間違っても闇金に手を出してはいけないというのだ。
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