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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第64話 父として
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動かされているヴィヴィオもこのまま動かされていては限界が来てしまう。それでもレリックによって強制的に動かされるだろう。
(覚悟を決めるしかねえのか………?でも俺に出来るのか………本当に………)
そんな事を思っていると待機状態にしていたはずのバルバドスが勝手に起動した。
「なっ!?」
『我を使え』
「いきなり何を………!!」
『聖王器にはそれぞれ特殊な能力がある。それは最後に造られた我にも同様だ。そして我の能力は“因果を斬る能力”』
「因果を斬る………?」
『そう、あの聖王の娘が操られている原因を斬る事が出来る』
「ヴィヴィオはどうなる?」
『因果斬りはその原因のみを斬る、他の者には影響は無い』
「何だと!?だったら話は早え!!それでさっさとヴィヴィオを………」
『だが、それには視認出来ない因果を感じ、一閃で断ち切らなければならない。その為にかなりの集中力を要し、失敗すればそのまま聖王の娘は斬り裂かれるであろう』
「………」
斧を構え、ヴィヴィオに斬りかかろうとしたバルトの動きが止まった。
『我を完全に使いこなし、その上で因果を感じ取らなければならない、貴様にそれが出来るか?』
「………」
その問いに力強い答えは無かった。
バルトは迷っていた。魔力操作には自信が無い、だからこそ、こっちの方がバルトにとっては自信があった。
だが、失敗した時のリスクがバルトの足を完全に止めていた。失敗すれば確実にヴィヴィオを殺してしまうであろう。
(………また俺の力不足で失敗してしまうのか?)
あの自分の不甲斐なさで殺してしまったロレンスの顔が浮かぶ。
あの時よりも心も強さも比べものにならないほど強くなった。例えそれがバルトマンの偽物であったとしても………
「俺は………」
ヴィヴィオの拳を避けながら俯く。そう思った途端に不安な気持ちが湧き上がる。
今までに感じた事の無い、恐怖がバルトを包む。
手が震え、呼吸が荒くなる。
「どうしたんだよ、俺………こんなの俺じゃねえ………」
湧き上がる感情が抑えられない、今すぐにでもこの場を逃げたい衝動に駆られる。
「俺には………無理だ………」
初めて人前で口に出した情けない弱音だった。それが情けないと感じるほどの余裕も今のバルトには無い。
そして、後ずさりし、後ろを振り向いた瞬間だった。
「バルトさん!!!」
血を吐くような叫び声を聞き、バルトは我に返る。
「貴方がお父さんなんだよ!!誰が娘を助けるの!!!」
イクトに介抱されながら懸命になのはが訴えかける。
「出来るよ………バルトさんなら出来る!!」
青い顔をしながらそう叫び、バルトに向かって笑う。
(………ああ、何だろうなこの気持ちは…
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