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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第64話 父として
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…」
「俺の目的はそれが目的じゃない………こうやってお前の動きを制限させればあの魔力の槍も使えないだろう?」
「!?まさか………!!」
「発生条件さえ分かれば元を絶たなくても防ぎようはある!!」
「だがこれでは私にダメージを与えられない。君達はのんびり戦っている時間は無いと思うが………?」
「心配無用だ」

連撃をしている中、桐谷の攻撃していた拳がクレインのアーマーの脇よりも少し下辺りに手を添えた。

「何を……」
「白虎咬!!」

掌に溜め込んだ魔力を直接ぶつけ爆発させる、バリアブレイクを得意とする桐谷の技。

「うぐっ!?」

その攻撃はクレインが初めてちゃんと受けた攻撃だった。

「通った!!桐谷やるじゃん!!」
『アギト手を休めない!』
「わ、分かってるよ!」

そう文句を言いながら足の方の傷を処置してくれるアギト。
零治はユニゾンだけを解き、ラグナルフォームで傷の応急処置をアギトと一緒にしていた。
一応エリスの『気休めヒール』も使用しているが意外と受けた傷は大きく傷口は小さくなったが、中々
血が止まらない。

「………なるほどな」

そんな中、零治が1人呟く。桐谷が渡してくれた応急キットにはメッセージがあった。


『恐らく、この部屋全体に仕掛けがある』


たった一言だが、先ほどの桐谷とクレインの戦闘でのクレインの行動を見て、意味が分かった。

「ホムラはこの仕掛けの解除方法とか心当たりは無いか?」
『………いいえ、私はエンジェルソングの事とあなたを操るのに集中してたからその他の事に関与してないの』
「そうか………」
『だけど………クレインの事だから決してこれだけって事は無いと思うわ』
「だろうな。そしてそれは桐谷も分かっている筈だ、だから今度は俺達が対策を考えなくちゃいけない」
『そうね………』

そんな会話をしつつ、零治も少しでも傷を治すため、回復にも気を配る。

『取り敢えず今分かってる事はクレインは見た通り、戦闘に関しては素人同然。それをカバーするために様々な魔導師のデータをバックアップし、最適な行動が出来る様にプログラムされている。だからこそ、それの裏を掛ける様な攻撃が出来れば有効でしょう』
「だが、それをするにはあのノーモーションの強力な魔力の槍、あれをどうにかしないといけない。遠距離から攻撃しようにもフォースフィールドがある」
『そしてあの魔力の槍の仕掛けはこの部屋全体に秘密がある』
「それだけじゃないと思う。………なあホムラ、クレインってリンカーコア持ってるのか?」
『えっ?………分からないわ、そもそも疑問にも思わなかった。まあ持っててもおかしくないんじゃない?』
「そうか………」

零治はそんな事を気にしながら周囲を見渡す。
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