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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三十九話 新たな一歩   ★
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んだよね」
「ええ、表向きは彼の秘術を漏らさないためだけどね。
 あの子も彼も大切なんでしょう」

 考える必要もないくらい大切な人。

「ならちゃんと戻ってこないとね。
 それに彼には特に色々お世話になったからそのお礼もね」
「はい」

 頬を優しく撫でる母さんの手のぬくもりを感じながらしっかりと頷いた。

 海を眺め、なのは達を待つ。
 そんな時

「………ゃ〜…………」

 耳に聞き覚えのある声が聞こえた。
 辺りを見渡すけどその声の主はいない。

「どうかしたのか?」
「えっと……なのはの声が聞こえたような」

 きょろきょろする私にクロノが不思議そうに尋ねてきたのでありのまま答える。
 クロノも耳を澄ますけど

「僕には聞こえないが」
「そう? アルフは?」
「う〜ん。ちょっと待って」

 アルフなら私達よりも耳がいいし聞こえるかも

「……にゃ〜〜〜〜〜…………」
「ほらっ!」
「確かになのはの声だね」
「ああ、今のは僕にも聞こえた。だが……」

 声がだんだんと大きくなる。
 それはつまり近づいてきているという事なんだけど
 わからない事が一つ。

「一体どこにいるんだ?」

 クロノの言うとおりで、それがわからない。
 少なくとも私の眼の届く範囲にはいないみたいだけど

「アレかしら?」

 そんな時母さんが指差した方から、跳んでくる白い物体。
 アレは空を飛んでいるんじゃなくて、文字通りピョンピョンと跳んでいる。

 ただ一回の飛距離がとんでもないけど

 私達の姿を見つけたのか白い物体はさらに大きく跳躍し

「うにゃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「数日ぶりだな」

 なんて軽い口調で降り立った白い物体、もとい白い制服を着た士郎と士郎に抱きかかえられたなのは。

「し、士郎君、アレはないの。揺れすぎなの」
「悪かったな。だがアレが一番早かったんだ」

 そんなやり取りをしながら士郎から下ろされたなのはは少しフラフラしてる。
 勿論、なのはの肩に掴まっていたユーノもフラフラだ。
 だけど当の士郎は平然としてる。

 あんなふうに上下に揺られるのは嫌だけど、士郎に抱えられるのは羨ましいと内心思っていたり。

 ……士郎、お願いしたらしてくれるかな?

 そんな関係ない事を思いつつ、半ば呆然としながら士郎となのはを見ていた。

「うん。復活、フェイトちゃん」
「え、うん。久しぶり、なのは」

 なのはの言葉に正気を取り戻す。
 ほんの数日なのにすごく久しぶりな気がする。
 でもこうして改めて正面から向かい合うのは少し恥ずかしい。
 お互いにすこしはにかむ。

 だけどこうしてなのはと士郎
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