十五話:強さって色々あるよな?
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てのは何物にも止められない強さだと俺は思うんだけどな。
「出来る出来ないじゃない、やるかやらないかなんだろ? 弱音なんて吐かずにいつもの様に諦めが悪いことをすればいい。それがお前の―――強さなんだから」
「諦めが悪いのが俺の強さか……はは。ありがとうな、ルドガー。元気が出たぜ」
「どういたしまして」
そう言って、二人で笑い合う。
難しいことなんか考えずに、諦めずに進んで行くのがこいつの強さなんだからな。
元気のない顔はこっちが見ていて調子が狂う。
だから笑っている今の顔の方が良い。
「よし、そうと決まったら、残された時間をがむしゃらにやってみるぜ!」
「ああ、俺も『絶拳』の練習をがむしゃらにやってみるさ」
「お前俺を殺す気か!?」
「てへ☆」
「だからお前がやるんじゃねえよ! それとちょっとはまってるだろお前!?」
なんか『てへ☆』って言うと体に元気が湧いてくるな。
まさか、技の最後に言ったら威力が上がるとか!?
……のは流石にないよな。ミラだったら本気でそう言って試してみるかもしれないけど。
「はあ……もういい。今日はもう寝る。」
「ああ、お休み」
「お休み………て、今、質問したいことが出来たけど聞いてもいいか?」
「何だ? 別にいいぞ」
どうせ、暇だしな。いつもなら猫黒歌を撫で回している時間だけどそれもないしな。
……帰ったら心ゆくまで撫でさせてもらおう。
「ルドガーの強さは何なんだ?」
「俺の強さか? ……そうだな」
戦闘センスとか物まねとか骸殻とか色々とあるけどさ……そんな物は全部付属品みたいなものだよな。俺の強さは一つだけだ―――
「何に代えてでもただ一つを守り抜く覚悟……だな」
「この前言ってた『大切なら、守り抜け、何に代えても』ってやつか?」
「ああ……」
俺は、出来た人間じゃない。
大切な者を守りたいっていう覚悟だけで今まで戦ってきた。
世界を救いたいとかそんな大それたことよりもただエルとの約束を守りたかったんだ。
もし、『魂の橋』を架けるときに世界を取るか兄さんを取るかだったら俺は間違いなく兄さんを守る為にみんなと戦っていたはずだ。
でも、それをせずに兄さんを殺したのはエルが―――約束の方が大切だったからだ。
より大切な物を守る為に他の大切な物を壊す……それが俺の生き方なんだ。
最後に自分の命を使って世界とエルを両方救って見せた。
だけど、どちらか片方しか選べなかったら俺は迷わずエルを選んでいた。
もし、両方を守れるなら自分の命を使ってでも守り抜いて見せる。
だけど、片方しか選べないのならより大切な方を選ぶ―――他の全てを壊してでもな。
まあ……今の俺にはそこまでして守りたい物がないんだけどな。
それにしても…守
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