十五話:強さって色々あるよな?
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ろ……」
何、気にすることは無い。
さて、結構深刻そうな悩みではあるから俺も少しは真面目に答えてやるか。
………普段だって、俺は真面目だぞ?
「ゴホン! 取りあえず、一番最初の質問に返すとな、お前は間違いなく強くなってるぞ」
「……慰めじゃないよな?」
「ああ。気絶時間が最初は十分だったのが今は五分を切ってるからな」
「喜びづらい成長だな!?」
そう言われると、ただ単に慣れただけにも取れるか……ふむ。
それだったら、耐久力以外の側面で話していくか。
「じゃあ、祐斗との修行で、ある程度避けられるようになったとか、小猫に攻撃がかすったりしたとかはどうだ?」
「確かにそうだけどよ……それで強くなったって言えるのか?」
「修行前は、まるでできなかった事がほんの少しでも出来る様になってるんだぞ? それを強くなってると言わないで何て言うんだ?」
そう言ってやると少し嬉しそうな顔をして自分の手を見るイッセー。
しかし、その顔はすぐにまた暗くなっていった。
今度は何なんだ、一体?
「でもよ…それだけじゃ、部長の役には立てない。俺はやっぱり弱い……」
これは弱音…なのか?
イッセーは今まで、弱音一つ吐かずに俺から見てもオーバーワークの修行をこなしてきた。
そんなイッセーが弱音を吐いたことに少なからず動揺を覚える。
はあ……これは発破をかけてやらないとダメかな?
「……そうだな。いくら強くなったと言ってもお前は弱い」
「…………………」
「諦めて部長が連れ去られていくのを見ることしかできない。いや、出来ないんじゃなくて、しないの間違いか?」
「そんなこと―――」
「じゃあ、お前に何が出来るんだ? 弱い、力のないお前に何が?」
反論しようとするイッセーの言葉を口調を強めて遮る。
グッと唇を噛みしめて悔しそうに俯くイッセーにさらに追い打ちをかける。
「お前は弱いんだ。全部諦めてただ見ていればいい」
「……められるかよ…諦められるかよ!! 部長は俺の俺達の大切な人なんだぞ!! それを何もせずに諦めきれるかよ!!!」
「もう一度聞くぞ、じゃあお前に何が出来るんだ?」
「出来る出来ないじゃねえ!! やるかやらないかだ!!!」
そう言いきったイッセーに思わず、笑みが零れてしまう。
そうだ、その姿勢がお前のあるべき姿で、お前の誰にも負けない強さだ。
お前は最初から強さを持っていたのに何、弱音を吐いていたんだか。
「それでいいんだよ、お前はさ」
「は?」
「アーシアの時もそうだったけどお前は本当に諦めが悪いよな。それがお前の持っている誰にも負けない強さだ」
「俺の……強さ?」
俺の言いたかったことが分かったのか茫然と強さと言う言葉を口にするイッセー。
諦めが悪いっ
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