三十八話:夏だ!海だ!水着だ!
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ぜ。暇つぶしに教えてやるよ。ありがたく思え」
可愛らしく、コテンと首を傾げる塔城小猫にそう返す。
それと、横でその仕草を見て悶絶しているカス猫は無視してもいいよな?
「力を抜け。固い状態だと沈む」
「……はい」
「それが出来たら足を動かして見ろ。ただバタバタ動かすんじゃなく、水を蹴るイメージをしろ……心配すんじゃねえ。手は掴んでおいてやる。溺れりゃしねえよ」
「……はい!」
塔城小猫が若干不安そうな顔を見せたので手を掴んで先導してやる。
すると不安が無くなったのか顔を明るくして挑み始めた。
クロームも昔は泳げなかったからな……その時にも教えたから人に教えるのはこれで二回目か。
「イッセーちーん。何で白音には手とり足とり教えてあげてるのに
私には教えてくれないのにゃ?」
「説明はしてやってんだ。てめえは自分一人でやれ」
カス猫を無視して、塔城小猫の指導に集中する。
だが、それを邪魔するかのごとくカス猫の口から禁句が飛び出してきた。
「イッセーちんってもしかしてロリコ―――」
「よし、今からマンツーマンで指導してやる。今すぐ沖に行くぞ。丁度いい具合に鮫が良く出る場所があるからな」
「エサ!? 私を鮫のエサにする気かにゃ!?」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ! さっさと死――行くぞ!!」
「今絶対、死ねって言おうとしたよね!? 嫌にゃ! 絶対行かないにゃ!!」
聞き分けの悪い奴だ。人は命の危険を感じながら修行すればあっという間に上達する。
だからこそ、俺は親切で連れて行ってやろうと思っているのに。
それを跳ね除けるたあ、いい度胸してんな。
「いいから、逝くぞ! カス猫!!」
「嫌にゃ! 白音を残して死ねないにゃ!! 後、絶対『行く』の字が違うにゃ!!」
「気のせいだから、待ちやがれ!!」
逃げるカス猫を今度こそは逃がすまいとして、首根っこを掴む様に腕を伸ばす。
しかし、その腕はギリギリのところで躱され、代わりに背中にある紐に引っ掛かった。
―――スルリ
「あ?」
「にゃ?」
違和感を感じ立ち止まってこちらを振り返るカス猫。
先程、引っ掛かった紐の正体―――水着を茫然と手にする俺。
そして、水着が俺の手にあるということは当然のことながら………丸見えと言うことだ。
「………………わ、悪かった」
顔を逸らしてわびの言葉を言う俺。
「…………にゃっ!? い、イッセーちんの、エ、エッチ!!」
状況に気づいたのかバッと胸を腕で隠す。そして余程混乱していたのか、顔を真っ赤にして普段の行いからは想像もできない乙女のようなことを言いだすカス猫。
(イイイイイイヤッホオオオオオオオオッッ!!! ポロリ来た! ポロリ来
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