暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三十七話 魔術
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いのよね〜。

 初めて会った時の口調や交渉術、戦闘技能の面からしても大人っぽいとは思っていた。
 だけどこうしてお茶を飲む姿、紅茶を注いでくれる姿。
 その仕草の一つ一つが子供ではなく、大人びている。
 勿論子供が大人ぶって真似をするような違和感はない。

 つまりはし慣れているという事……なんだけど仕草を見るとエイミィよりも大人っぽく落ちつている。
 本当に見た目通りの年なんだろうか?

 そういえば初めて士郎君に会った際に士郎君の事を調べたけど、確か一人暮らしだったはず。
 短い時間とはいえ色々と調べた。
 だけど身元引受人はいたけど戸籍に偽造の疑いがあり、存在しない可能性が高い。
 さらに口座も持っていなかった。
 つまりは

「ねえ、士郎君」
「はい?」
「士郎君って生活費とかはどうしてるの?」

 ここに行きつくのだ。
 保護者も書類上の架空の存在で口座も持たず、どのように生計を立てているのか?
 今更ながら不思議なのよね。

「知り合いの所で執事とウェイターのアルバイトで、あとは宝石を換金してですね」

 ……はい?
 ウェイターはわかる。
 なのはさんに視線で尋ねてたら頷いていたから、恐らくは喫茶店をやっているなのはさんのご両親のところだろう。
 ただ

「……執事?」
「はい、執事です」

 やっぱり聞き間違いじゃないわよね。
 執事って主とかに仕えるアレよね。

 確かに紅茶を入れてもらった時の動きなど洗練されていたから執事も出来るのかもしれない。
 だけど小学生の執事って
 うん。この事は触れないようにしましょう。

 そして、最後は宝石の換金。
 でも宝石は魔術の一種とも言っていた。
 宝石などはミッドでもこの世界でも高価な物よね。

 それを確か数個呑み込んでいた。
 勿論後から身体から取り出すなんてことが出来るはずないし
 つまりは

「もしかして士郎君の宝石の魔術ってすごくお金が掛かるの?」
「はい。ものすごく」

 即答だった。

 ……この件がまとまったら少し手当を出しましょう。

 保護者のいない少年のライフラインでもあるアルバイトを休ませて協力させたうえに手当すら出さないなんて申し訳ない。

 あとで経理の子を呼ばないと

 私は新たについでもらった紅茶に口をつけた。
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