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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三十七話 魔術
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笑して見せ、言葉を紡いだ。
side リンディ
魔術の話といい、全てが魔導師と根本的に違う。
なにより士郎君は魔術師にとって魔術は研究対象といった。
それはつまるところ学問と同じ事。
だけど学問というならミッドにある魔法学校のようなものだろうか?
「ねえ、士郎君。
魔術が学問的なら魔術を扱う学校的な物はないの?」
私の言葉に何やら苦笑する士郎君。
なにかおかしなことを言ったかしら?
「すいません。絶対あり得ない光景に少し」
「絶対あり得ない?」
士郎君の言葉に首を傾げる。
「魔術師にとって自分の魔術とは自己の研究成果です。
ゆえに他人に公開する事はなく、死ぬ前に子孫に継承するときだけ開示します。
自身の魔術についてもまず明かす事はありません。
そして、魔術の研究は普通一人の人間の一生の中で根源に達する事は出来ません。
ゆえに血と歴史を重ね知識と魔力を高め根源の足がかりにするんです」
「……血と歴史を重ねていく」
「そうです。ゆえに俺が知っている魔術師も十人にも満たないですし、
今ではどこで何をしているのかも、もちろん知りません」
その士郎君の言葉はなにを差すのだろう?
今の士郎君の状況から察するならこの世にいない可能性もある。
それともただ行動を共にしてないのか、正直なところ明確な判断は出来ない。
それにしても魔術師という者の在り方もある意味信じられない。
何代も何代も引き継ぎながら研究を重ねる。
魔導師とは比べ物にならないほど壮絶なモノ。
根本的に魔導師と魔術師、在り方が異なる。
魔術師は非殺傷設定がないが、特殊な術式を使う魔導師の一種と考えていたけど違う。
研究のために人生を賭けるといえば聞こえはいい。
だけど士郎君の話からするに魔術師は自分を根源に至るための道具にしか見ていないように感じられる。
そしてこれは確信。
魔術を使う人の中でも士郎君のような存在は異端なのだ。
恐らく他の魔術師なら手を取り合う事すら躊躇うのでしょうけど士郎君なら躊躇う必要なんてないわね。
そんな事を思いつつ、冷めた紅茶で喉を潤した。
士郎君の話が終わり、全員が紅茶を飲んで体をほぐしている。
魔術が転送ではないと予想していたとはいえここまでとは完全に予想外。
報告書の内容を少し、いやだいぶ考えないと危ないわね。
報告書の内容を考えながらカップを傾けるとなにもない。
気がつかないうちに飲みほしていたみたい。
「リンディさん、おかわりは?」
「いただくわ」
その事にすぐ気がつく士郎君に紅茶のおかわりをもらいながら改めて思う事がある。
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