サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!
サッカー大決戦
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『たしかに紘汰くんは強いわ。でも、ラピスが弱いってことにはならないと思う』
咲は変身を解き、ラピスと向き合った。生身で、肉声で伝えるべきだと思った。
「サガラ言ってた。あなたはあいつの封印のクサビだったって。それって自分をギセイにあいつを閉じこめてたってことでしょ。フェムシンムが争わないように願って。だれかのために自分をギセイにできるあなたが、弱いなんてこと絶対ないって、あたしは思うよ」
ラピスは小さく瞠目し、右手で左手の銀の腕輪を押さえた。
咲は倒れた湊たちに駆け寄った。
「おねーさん、だいじょうぶ?」
「ぎりぎり、ね。でもまだ倒れるほどじゃない…っ」
咲はほとんど抱きつくようにして湊を支えた。湊は咲に支えられながらでも、立ってみせた。
「光実くん、戒斗くん」
呼びかけた二人の男は、地面に膝と肘を突き、自力で立ち上がった。咲は安心した。
「奴一人に任せておけるか…!」
「紘汰さんには、僕たちが、ッ、いないと」
「うん。みんなで行こ。紘汰くんのとこっ」
咲は鎧武とコウガネが馬を走らせて行った方向へ走り出した。ラピスや戒斗たちも付いて来てくれた。
シャムビシェたちが追いついた時には、鎧武はコウガネと雌雄を決する寸前だった。
巨大な炎の馬に跨るコウガネ。その炎の馬に対し、臆せず手綱を打って、火縄大橙DJサーベルを手に馬を走らせる鎧武。
炎の馬が火球を吐く。鎧武は馬を操り火球を避け、どんどんとコウガネに迫っていく。
『うおおらあああああッッ!!』
そして、巨大な炎の馬の下に潜り込み、火縄大橙DJサーベルで炎の馬をコウガネごと真っ二つに斬って駆け抜けた。
――その姿の、何と雄々しく、逞しいことか。
シャムビシェは知らず胸の前で拳を作っていた。
大爆発が起きた。
その爆発の中から6つの光球が飛び出した。光球はコウガネが今までに取り込んだであろう、6人のアーマードライダー――貴虎、ザック、ペコ、凰蓮、城乃内、初瀬に変じた。
『みんな!』
鎧武が馬を降り、救い出された者たちに駆け寄った。
咲たちもまた走り出し、あっというまに鎧武の周りは人でいっぱいになった。
(これがコウタの信念の結果。ボクも信じていれば、かつてとは違う結果になっていた? いいや、もう昔のことはいい。今、諦めずに立ち向かえば、コウガネにだって――)
『ようやくいい顔をするようになってきたじゃねえか』
シャムビシェは驚いてふり返った。後ろに“蛇”の幻像が経っていた。
驚いて、次いで戸惑った。“蛇”が何を指して言っているのかが分からなかったからだ。
『もう少し早くその顔を見せてほしかったが、ま、しょうがないか。―
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