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転生とらぶる
マブラヴ
0848話
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 その言葉と共に、ビルの近くからざわめきが聞こえてくる。
 なるほど、実際にゲートに襲撃を仕掛けてきたのは確かにオーストラリア国防軍の中佐だったし、それを思えばビルの言葉も否定は出来ない。
 真実がどこにあろうとも、それを隠し通すだけの力をアメリカは持っているのだから。……少なくてもこのマブラヴ世界では。

「そんな経緯もあって、オーストラリアを含むこの世界の住人に関しては暫く他の世界への転移については様子を見させて貰う事になった」
『待って欲しい。不手際を起こしたのはオーストラリアだろう? であれば、どうだろう? 一国に任せるからそんな不手際が起こったのだと考えると、国連直下に新しい機関を作って、そこがシャドウミラーとの交渉の窓口を担当するというのは』

 心底困ったような顔でそう告げてくるビル。
 その表情からは、本気でアメリカの手の者が以前のゲート襲撃事件を起こしたとは思っていないかのようだ。
 ……いや、案外あり得るのか? 確かにアメリカという国の規模を考えれば、末端が何かをしてもそれを大統領が把握していないというのは、普通にあり得る事だ。
 国が大きくなった弊害だな。
 だからと言って、こっちが被害を受けたのをそう簡単に許してやれる程に優しくは無いが。

「残念だが、今のところの窓口はオーストラリアと決めていてな。シャドウミラー内部でもそういう風に話は固まっているんだよ」
『だが、正直な話、君達との独占的な交渉権とも言えるものを1国に任せるというのは色々と問題も大きい。それは分かって貰えると思うけどね』

 より正確にはアメリカが他国を扇動してそういう風に話を持っていくのだろう。

「国連という集団は色々と問題も多いようだからな。特に某国の意向が強く影響しているって話だし」
『それは誤解だよ。あくまでも国連はこの世界全ての国が平等に……』
「悪いが、建前は聞き飽きているんだよ。取りあえずもう少ししたら一旦ニューヨークに戻るから、詳しい話はその時にこっちの外交担当を含めて話させて貰う」
『……了解した。ただ、一応言っておくと君達の運用している巨大な城のような物? あれ程の大きさの物をニューヨークに持ってこられても困るんだが……いや、私としては是非自分の目で見てみたいとは思っているんだけどね』

 小さく笑みを浮かべてそう告げてくるビル。
 ニヴルヘイムを見てみたい、と思っているのは本音なのだろう。
 シロガネはまだこの世界でも理解出来るだろうが、基地その物が移動するとなると完全に想像の外にあるんだろうし。

「分かっている。ニヴルヘイムに関してはそっちに持っていかないから安心しろ」

 その一言に安堵したような、あるいは残念そうな表情を浮かべ……次の瞬間には眼差しを鋭くして俺へと視線を向ける。
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