マブラヴ
0848話
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Aとの戦いにおいては、包囲殲滅するというのが基本手段になるだろう。ある意味でワンパターンではあるが、向こうにこちらの情報が渡らない限り、ワンパターンをワンパターンとは認識できないだろうし。
だが、ハイヴの攻略となると……どうだろうな。蟻の巣のように地中に広がっている以上、BETAの全てを殺し尽くすというのは難しいだろう。
「アクセル代表、国連から通信です」
「またか? 今の位置から動いたら戦闘になると念を押した筈だが……」
「いえ、違います。先程の中隊ではなく、国連本部からの通信です」
量産型Wのその言葉に一瞬驚くが、こちらの戦闘を映像を通して見ていたのだと考えれば、ある意味では通信を送ってくるのが遅いとすら言えるか。
「分かった、繋げてくれ」
「了解」
その言葉と共に、映像モニタに映し出されるのは、1人の白人。アメリカ大統領のビル・レーガンだ。
国連からの通信という名目にも関わらず、その国連のトップでもある国連事務総長ではなくアメリカ大統領が通信に出るというのは、まさに国連がアメリカの強い影響力を受けている、半ば下部組織に近いような形にある事の証明でもある。
『やあ、アクセル代表。君達シャドウミラーの持っている戦闘力は映像越しではあるがこの目で見させて貰ったよ。いや、さすがだ。予想を超えた力を持っているね。あの戦闘映像を見た者達が最初は混乱する程にね』
「お気に召したようで何よりだ。アラビア半島もBETAの手に渡らなかったし、このマブラヴ世界としても十分満足出来る結果だっただろう?」
『勿論これ以上無い程の結果だったよ。それで、どうだろう? 改めて君達シャドウミラーとこの世界との関係についての話をしたいのだが。……特に、そちらから要求されたSHADOWの外側での行動については、こちらとしても強い興味を抱いている。そして大統領以前に、1人の人間として私は他の異世界という場所に強い興味を抱いてもいる。その辺の話を是非聞かせてくれると嬉しいのだが』
一見すると人当たりのいい笑みを浮かべてそう告げてくるビルだが、さすがにそうホイホイと向こうの提案を呑むわけにもいかない。
それに……
「残念ながらそれはちょっと難しいだろうな。少し前にどこぞの国の意を受けていると思われる軍人がゲートに向かって攻撃を仕掛けてきた事があってな。その結果、このマブラヴ世界の住人に対する警戒は数段上がっているんだよ」
暗にアメリカのせいでこの世界の選択肢は狭まったと告げるが、ビルは全く気にした様子も無く、寧ろわざとらしく驚いてみせて首を横に振る。
『そうなのかい? それは残念だね。それにしても、どこの国がそんな真似を……そう言えばシャドウミラーのゲートがあるのはオーストラリアだったね。そうなると……』
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