第六章 正義の在り処編
第二百三話 『シホの身に起こった事実。そしてジグルドの手紙』
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もうこの世にはいないのだろう。
まずは謝らせてほしい………。私は最高評議会を粛清して最後には悪として正義の味方である君たち機動六課に討たれることによって市民の怒りの感情をすべて一緒にあの世に持っていくことを計画した。
こんなことを起こして今更謝れる頭はもうないが………この手紙を残してしまうであろうブリューナク隊の面々に届けてほしい。厚かましいが私の最後の願いを受けてくれ』
それが一枚目の機動六課へと宛てた手紙だった。
「私は二枚目は見ていないわ。だからあなた達の手で開封してあげて」
「はい……」
それでロボは二枚目の手紙を開く。
そこにはこう書かれていた。
『まずは凰華……管理局に深い恨みを持つお前は、長い間私とジョンの為によくついて来てくれた。感謝してもし切れない……ありがとう。
そしてタスラム……いやティーダ。計画の為とはいえ、私の我儘につき合わせてたった一人の家族を……妹に会わせないようにしていた……許してくれ……許してくれ……。そして妹と仲良く暮らすのだぞ。
ウィルソン……お前の知識、そして武術は決して並大抵の者が習得できるものじゃない。だが、いつまでも私のそばじゃなく、私よりもっと上をゆく人間の下で知恵と武を生かせ……。
セイラ……いつもロボの側近としてよく戦ってくれた。姉弟として育って来たお前たちの成長を見るのが、いつの間にか私の楽しみになっていた。お前がロボに好意を抱いていたのは分かっていた。だから言っておく……お前たちは自由だ。もう私の為に戦わなくていい……私はずっとお前たちの幸せを祈っている。愛してるぞ……我が娘よ。
ロボ……お前はよく戦った。父を失っても父の誇りを守るためにお前は戦い続けた。お前に教えていたな、『ジョンの語る正義は“悪党に絶対屈しない”』と……お前の人生はまだまだこれからだ。本当はお前の成長を見届けたかった。お前ならきっと……いや、絶対に父をジョンを超える立派な男に……勇敢な戦士になっていると思う。ロボ……先に逝く私を許してくれ。だがいつもお前と共にいる事を忘れないでほしい……頑張れよロボ……負けるなよ、ロボ……我が息子よ!
だが……それでも私はお前の……ブリューナク隊の皆が幸せになっていることを願っている。いつか……また会おう! 我が盟友達よ!!』
その手紙を最後まで読み切ってロボとセイラは大粒の涙を流していた。
「おじ様………おじ様………ッ!」
「解らない……解らないよオジキ……今まで俺は俺を育ててくれたオジキの力になりたくて戦ってきたのに……今さら俺は何のために戦えばいいんだよ……! あまりにアンタは立派過ぎて俺には解らないよ……!」
セイラはひたすらロボの背中で涙を流していて、ロボはそんなジグルドの手紙に涙を流してジグルドがもう二度と
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