第六章 正義の在り処編
第二百三話 『シホの身に起こった事実。そしてジグルドの手紙』
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なのに傷は一切残っていなかった。これはどう説明をしてくれるのだ? よもやあの一瞬で魔力を流して一瞬で回復したということではあるまい?」
シグナムがそう聞いてくる。
それはシグナムが聞かなくとも全員が気になっていたことだ。
それに関してはいずれシホはみんなに話さなければいけないと思っていた。
「シホ………」
「奏者よ………」
「シホちゃん………」
「お姉さま………」
アルトリアとネロ、すずかにフィアット。
この四人だけは事情を知っているらしくシホに心配な表情を向ける。
そう、これから話すことはシホの今後について大事な話になってくるのだ。
もう誤魔化しは聞かない。
どうせなら盛大にバラしてやろうという気持ちでシホはこの問題の経緯を話し出す。
「これはJ・S事件での聖王のゆりかご戦でのことだった………」
そう、忘れもしない。
シホと洗脳されていたなのはが戦ったゆりかご戦。
その時にシホはゆりかごを破壊するためにユニゾンしてアルトリアの持つ宝具と自身の体に宿っている宝具………つまり『すべて遠き理想郷』。
この本来二つは存在しないはずの同じ宝具をフルにシンクロさせたのだ。
その結果、二つの宝具は二つ存在するという矛盾を否定するためにお互いに干渉しあい、そして融合してしまった。
「………私は今現在アヴァロンを所持していません。シホの体内のアヴァロンと融合してしまったからです」
アルトリアがそう話す。
つまり、シホの中には今現在二つ分の効果を持ったアヴァロンが存在することになる。
「それでその結果、私の体に異変が起こったのよ。本来のアヴァロンの効果は不老不死。これは本来の持ち主であるアルトリアしか持ちえなかったはずだった。だけど、それが私の体に定着してしまったために私は………」
「まさか………」
「そんな………」
シホが一旦言葉を切る。
それでも言いたいことは分かってしまったために一同は目を見開いて次には顔を俯かせてしまった。
「そう。みんなの想像通り………私は不老不死になってしまったのよ」
そのシホの衝撃の言葉によって真実を知った一同は、ただただ呆然とするしかなかった。
みんなが無言になってしまっていて重たい空気が部屋中に張りつめている。
しかし、そんな中シホは口を開いて、
「みんな。そんなにショックを感じないで……」
「でも! シホちゃん! もうシホちゃんは死ねないんだよ!? みんなとおんなじ時間を共有できないんだよ!?」
なのはが泣きながらそう叫ぶ。
そしてそれが合図だったのだろう。
他のみんなも反応は様々だったがシホの身を案じて涙を流してくれていた。
そのことに対してシホはとても胸が温かくなる思いを感じていた。
私はこんなに
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ