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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第三十話 再会と笑顔
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カナシイかとかツライかとかは訊くだけ無駄だ。けどこいつは――プレザは、こっから曲者揃いの
四象刃
(
フォーヴ
)
の舵取りを独りでやってくんだよな。
特に俺が何か言えるわけなんてねえ。二重、いや、三重の意味で。
分かってる。でも、でもよ。
「プレ――」
「似合いの死に様とは何じゃ。若い娘があまり汚い口を利くもんではないぞ」
プレザもアグリアも凄まじい勢いで後ろをふり返った。
おいおい、冗談だろ?
「ジャオ!?」
「オッサン生きてたのかよ!」
「この世に未練がたっぷりあるでの。そこなマクスウェルに命を拾われたわい」
ジャオが指したのは呑気にヴィクトルんとこに行くフェイ。いや無事だったのは俺も嬉しいんだけど。何なのあの「最初からいました」感。なじむの早すぎね?
「あー…ジャオ。そのマクスウェルのことなんだけど……」
分かる。すっげえ分かるぞ、プレザ、その迷い。俺でさえどー説明していいか分かんなかったんだから。
「はあ。もう。そのことも含めて説明するから、とにかく陛下にご報告しましょ。アグリア、貴女もいらっしゃい」
プレザたちは教会に入って――いくってとこで、プレザがジャオをふり仰いだ。
「ああ、そうだわ。――お帰りなさい。また会えて嬉しいわよ」
ジャオが福福しく笑い返した。
今度こそプレザたちはぞろぞろと教会の中に入ってった。
さっき、プレザ、笑ったよな。愛想笑いじゃなくて、本心からだったよな。
よかった。
お前、今笑えてるんだな、ジル。
ああ、きっと俺今すっげえ締まんねえ顔してる。でもさ、本当によかったって思ったんだ、思えたんだよ。
俺が裏切って俺が傷つけた女。俺を初めて心から愛してくれたリーゼ・マクシア人。
俺に安心する資格なんてねえって分かってるさ。けどどうしても、嬉しい。笑ってるお前を見れたのが。お前に居場所があるのが。
このろくでもない世界にも神様とやらがいるんなら、今だけ礼を言ってやる。
ジルを見離さないでくれて、ありがとう。
/Victor
俺は今初めてフェイリオを見ている。ラルの写し身ではない、エルの妹ではない、「俺の娘」のフェイリオ。
眩んでいた視界がクリアになっていくのが分かった。徐々に輪郭を明瞭にしていく娘の姿をつぶさに見る。
瞳の色。昔ラルとエルが口を揃えてヘリオロープだと言った。菫よりもっと薄い紫色。姉妹でもエルとは真逆。
髪が長いのだって、きちんと伸ばしたわけじゃなく、伸ばし過ぎた髪を適当にザクザク切り落としただけだ。証拠に毛先は見事に傷んで跳ねてしまってるじゃないか。
ああ、肌の質もエルより白いんだな。触らずとも分かる。色も凹凸も光の当たり
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