温泉旅行(中編/2日目/告白/恋也)
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温泉旅行(中編/2日目/告白/恋也)
兄のりとが急にうなされて、どうすれば良いのか分からなかったがとりあえず頬を叩いたら起きたので安堵する。
どうして急にうなされたのかととても気になるところだが、聞いたところで答えてはくれないだろうから聞かないでおく。
そしてどうなっていたんだと尋ねられて急にうなされていたと伝えると1人で納得しては、肌寒い時期だけど布団に包まらなくても良いのに、布団に包まっていたので「寒い?」と尋ねると本当に寒いからなのかいつもより素直に頷いた。
正直頷いたことに少々驚いている自分がいるのには気付かないふりをしておこう。
「あんまり、やりたくなかったけど……」
いくら兄弟と言っても至近距離で寝るのは気が進まないが、人口密度でも高くしてみようかと思い布団を近づけてすぐ隣に横になって、さすがに同じ布団で寝るのは気が引けて気持ちだけでもと、背中を撫でている。
ゆっくり撫でているので摩擦もあまり期待できない。
すると、暖まらないとりとが言うのでくっついたら暖まると伝え、意味が無いと返され、俺に抱き付いて欲しいのかと返し、突っ込まれて終る。
俺自身は気が進まないがそれで熱を出されても厄介なので、りとの背中から手を離しりとと同じ布団に入って、背中合わせになる。
これだとあまり気にはならない。
同じ布団で寝るのは好まないけど。
「れ、恋也?」
不安そうに名前を呼ぶ兄に「丁度俺も背中冷たいから、兄貴に暖めてもらおうと思って」なんて真っ赤な嘘を言いつつ、視線を彷徨わせる。
最終的には下に向いて、目を瞑る。
部屋の電気が消されたのを目を閉じていても分かったので、目を開けていれば何となくお互い気まずいと言える沈黙が襲った。
その沈黙を破ったのはりと。
「俺が、恋也と此処に来た理由……、大して良い理由でも悪い理由でもねぇけど、ただ俺と恋也は中学の時修学旅行に行ってねぇから……まぁ、それのやり直しみたいなもんだ」
今はもう聞いていないのに、俺と此処に来た理由を言ったりとは続けてこう言った。
「恋也と純粋に出かけてみたかった」
普段なら絶対に聞けないであろうセリフを聞いて、俺の頬は嬉しさでかぁぁと赤く染まる。
言った張本人はどうなんだろうと思うが、俺の今の顔色を見られたくはない為、狸寝入りをする。
すぐに否定するかのように、冗談と言うが冗談で言っているようには聞こえず、俺は笑うのを堪えるのに必死だった。
多分今の言葉は本心で述べたものだろう。
俺は同姓からも異性からも、ストレートに「出かけたい」「遊びたい」と言われた事が無かったので、ストレートに言われるのは慣れていないんだろう。
どう対応して良いのか分からずに狸寝入りをしていれば、
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