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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第八話 一時の憩い
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タール提督が憤懣をぶちまけた。二人ともこのレンテンベルク要塞を攻略するために凄惨な地上戦を経験している。総参謀長に対する怒りは大きい。そうか、ローエングラム侯が総参謀長を厳しい眼で見たのはこの二人の進言を退けて策を実行した事も関係しているな。いわば総参謀長に顔を潰された、この二人に対して顔向けが出来ない、そういう事か。エーリッヒの奴、何処まで想定していた?
「向こうにはリューネブルク中将も居る。地上戦なら向こうが上だな」
「艦隊戦も怪しくなってきた。ミッターマイヤー提督に続いてケンプ提督も敗れた。思った以上に敵は手強い、手加減して欲しいものだ」
ケスラー提督とメックリンガー提督の言葉には自嘲の響きが有った。良くない状況だ、士気が下がっている。
七人居た指揮官が五人に減った。これ以上減るのは危険だ、単独で動くべきではない。しかし共同作戦を執ればそれだけ行動の自由度は減る、そして多方面での軍事行動も執れなくなる。それだけ戦局の推移は緩やかなものになるだろう。つまり内乱の長期化だ。しかしこれ以上の敗北は戦争そのものを失いかねない。
「敵は思った以上に連携が良い様です。単独で動くのは危険ではないでしょうか?」
「ミュラー提督の言う通りだな。単独で動くのは危険だ、二個艦隊で行動を共にするようにしたいが?」
ロイエンタール提督が提案すると他の三人が頷いた。さてこの場に居るのは五人、一人余るが……。
「ケスラー提督はメックリンガー提督と組んでくれ。俺はビッテンフェルト提督と組む」
ロイエンタール提督を除く三人の視線が俺に集中した。やはり信用されていない。残念に思う一方でエーリッヒ達と戦わずに済む事への安堵感が有った。
「ミュラー提督は予備になってくれ」
「予備、ですか」
「ああ、俺達の傍に居ていざという時には駆け付けて欲しい。敵の不意を突けるはずだ」
「それは構いませんが小官よりもビッテンフェルト提督の方が適任では有りませんか、ロイエンタール提督?」
俺が問い掛けるとビッテンフェルト提督、ケスラー提督、メックリンガー提督が頷いた。皆、俺と同意見らしい。一体ロイエンタール提督は何を考えているのか……。ロイエンタール提督が微かに笑みを浮かべた。
「そうだな、確かにビッテンフェルト提督の方が適任なのだが一人にすると何をするか分からんという困った癖が有ってな」
ロイエンタール提督の言葉にビッテンフェルト提督が“おい、どういう意味だ、酷いではないか”と抗議した。もっともケスラー、メックリンガー両提督は“なるほど”と頷いているしロイエンタール提督も気にする様子は無い。
「というわけで俺がビッテンフェルト提督の監視役にならざるを得ん。ミュラー提督には予備をお願いしたい」
「承知しました。必ず期待に添います」
「うむ、宜し
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