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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第七話 二パーセント
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百万人以上が捕虜? 単純計算で一万隻以上が降伏したという事か。どういう事だ?
「そうか、クレメンツ提督、ファーレンハイト提督も一緒だったのか……。私を攻撃しないのか?」
ヴァレンシュタイン提督が肩を竦めた。
『しないよ、そんな事は。一個艦隊潰したからね、お腹が一杯なんだ。私が小食なのは知っているだろう』
三個艦隊を動かした……。危なかった、一つ間違えばこの艦隊も殲滅されていたかもしれない。或いはヴァレンシュタイン提督はミュラー提督と知って見逃したのか?
「……クレメンツ提督、ファーレンハイト提督は?」
『二人はガイエスブルク要塞に戻った。私は卿に頼みたい事が有ってね、ここで待っていたんだ。良いかな、話しても』
「ああ、構わない」
ミュラー提督の言葉にヴァレンシュタイン提督が頷いた。本当に戦争をしてるんだろうか、そんな長閑さを二人から感じた。
『捕虜を預かって欲しいんだ』
「預かる?」
『ああ、ガイエスブルク要塞には百万もの捕虜を収容する場所は無い。それに貴族連合軍は軍規が緩いからね、捕虜に対して非人道的な暴力事件が起きかねないんだ。分かるだろう? ミッターマイヤー提督の事を考えれば』
「確かにそうだな」
『ケンプ提督もその事が不安だったようだ。という事でね、二人で話し合った。それで内乱の期間中は捕虜としてオーディンで過ごすという事で同意した。つまり軍務には戻らないという事だ』
「なるほど」
なるほど、と思った。ようするに場所を貸せという事か。
『如何思う?』
「良い考えだと思う」
『ならばローエングラム侯の了承を取ってくれないか。そしてケンプ提督達をオーディンに運んで欲しい。如何かな?』
ミュラー提督が少しの間俯いて考えた、顔を上げた。
「もしこちらがケンプ提督を戦場に出したら?」
『……次からは捕虜は取らない』
「皆殺しか」
『そういう事になるね。望むところではないが容赦はしない』
艦橋が凍り付いた。ヴァレンシュタイン提督の声には先程までの和やかさは無かった。ヒヤリとするものを感じる程冷たかった。
「分かった、ローエングラム侯の許可を取ろう」
『捕虜の引き渡し、そして私の艦隊が撤退するまでに二十四時間が必要だ。その二十四時間の間、帝国軍の軍事行動の停止、それをローエングラム侯に宣言して貰いたい』
「……」
『私はローエングラム侯は信じるがオーベルシュタイン総参謀長は信じていない。陰で小細工されるのは御免だ』
ミュラー提督が大きく息を吐いた。
「分かった、ローエングラム侯を説得しよう」
『宣言は一時間以内に頼む。それを過ぎれば時間稼ぎをしていると判断して撤退する』
提督が眉を寄せた。
「捕虜は如何なる
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