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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第六話 釣り上げる
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たのかもしれない。
「勘違いするな、撤退の責めを卿に負わせる事はしない。あくまで参謀長の意見を聞きたいだけだ」
「……」
「敵の増援は近くに居るのかもしれん。このままでは……」
「……小官も同じ危惧を抱いております。……撤退を、進言します」
絞り出す様な声だった。やはり撤退か……。ふっと息を吐いた。安堵か、無念か、自分でも分からなかった。
「敵、後退しています!」
「何!どういう事だ!」
オペレータの報告に思わず声を上げた。スクリーンには確かに後退する敵がいた。戦術コンピュータのモニターも後退する敵を示している。どういう事だ? あの攻撃は何だったのだ? 混乱した、俺だけではない、皆が困惑していた。
「閣下、如何なさいますか?」
フーセネガーが問い掛けてきた。如何? 敵は撤退している、このまま撤退させて良いのかという事か。待て、そうか、そういう事か……。
「追うぞ! フーセネガー」
「追うのですか?」
フーセネガーが訝しんでいた。
「ヴァレンシュタインには増援は無い、有ってもかなり遠くに居るのだ。奴はこちらの増援を探っていた。俺達が撤退すれば増援は無いと見て追撃するつもりだった。だが踏み止まったため増援が近くに居ると見て撤退するのだ」
「なるほど」
「追撃だ!」
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