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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四話 勝てる可能性
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力的には圧倒的に不利だろうがエーリッヒは性格の悪さでそれを補いそうだ。数値化出来る部分では無く数値化出来ない部分で勝つ。……まるで魔法だな、これで内乱に勝ったら貴族連合軍は用兵術では無く魔術で勝ったとか言われそうだ。士官学校にも魔術科とか出来るかもしれない。

「ビッテンフェルトにケンプか。どちらも厄介だな、釣り上げてもこちらの腕を食い千切って逃げそうな連中だ」
同感ですよ、ファーレンハイト提督。魚というよりも鮫みたいな連中です。一つ間違うと食い殺されそうな怖さが有る。エーリッヒも頷いている。

「三個艦隊を動かしましょう。釣り上げて包囲して短時間に攻め潰す。そしてガイエスブルク要塞に引き揚げる」
三個艦隊、此処にいる全員、つまり俺達も出るって事か。
「艦隊の整備、補給、将兵の休養、一週間はかかるぞ」
「丁度いい。ロイエンタール提督を避ける事が出来る」
俺とエーリッヒの遣り取りにクレメンツ、ファーレンハイト両中将が頷いた。リューネブルク中将も嬉しそうにしている。ガイエスブルクで貴族達の顔を見ているより宇宙に出た方が気が楽なのだろう。

「十日後だ。十日後に三個艦隊で出撃する。総指揮はヴァレンシュタイン大将が執る」
クレメンツ提督の言葉にファーレンハイト提督、エーリッヒが頷いた。出撃が決まった、十日後だ。
「というわけで、今晩は少しこれに付き合え」
クレメンツ提督がグラスを口に運ぶ仕草をすると部屋に漣の様に同意の声と笑い声が満ちた。


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