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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四話 勝てる可能性
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。眼は笑わず口元だけに笑みを浮かべる、危ない事を言い出す前兆だ。
「カール・グスタフ・ケンプ、フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト、ウルリッヒ・ケスラー、エルネスト・メックリンガー。……気付きませんか?」
エーリッヒが問い掛けてきた。皆が顔を見合わせた。はて、何だ? 待てよ、ナイトハルトの名前は呼ばれていない……。ナイトハルトと彼らの違い、何だ? クレメンツ中将が“なるほどな”と言って息を吐いた。
「分かったのですか、クレメンツ中将」
「ああ、分かったよ、ファーレンハイト中将。……偏りが有る、ローエングラム侯の立場に立って考えてみると全体のバランスが今一つ良くないんだ。そうだろう、ヴァレンシュタイン」
エーリッヒが頷いた。なるほど、ケンプ、ビッテンフェルトは勇、ケスラー、メックリンガーは知。偏りが有るとは言えるな。
「本当ならワーレン、ルッツ提督が居ると良いのですが二人とも辺境に行っています。別働隊は規模が小さいですから使い勝手の良い二人を入れたのでしょう。ですがその分だけ本隊に皺寄せが行った。おそらくローエングラム侯としてはロイエンタール、ミッターマイヤーの二人を組ませる事でそれを解消しようとしたのでしょうが……」
「アルテナ星域の会戦でそれが崩れたか」
「ええ」
皆がエーリッヒとクレメンツ中将の会話を聞いている。ファーレンハイト中将とリューネブルク中将は何かを考えていた。全体的に見ればローエングラム侯が圧倒的に優位だ、それは間違いない。しかし本隊だけに限れば齟齬が生じている。その齟齬は決して小さくは無い。ローエングラム侯も頭を痛めているかもしれない。
「ミュラー提督がその穴を埋めるという事は?」
「そうですね、ナイトハルトなら可能だと思います。しかしそこまで周囲から信用されているかどうか……。若いから仕方ないんですが残念な事に実績がそれほど有りません、それに……」
エーリッヒがファーレンハイトの問いに答えると失笑が起こった。クレメンツ提督が笑っている。
「まあ誰もが卿やローエングラム侯のようには行かんさ」
「それに提督がそれを許さない、そうでしょう?」
意味有り気なリューネブルク中将の言葉にクレメンツ提督とファーレンハイト中将が訝しげな表情をした。エーリッヒは困ったような顔をしている。中将達が今度は俺に視線を向けてきた。知ってる事を話せ、そんな感じだ。あー、あれを話すのかよ、気が重いわ。
「ナイトハルト・ミュラーを謀略にかけようと考えています。彼はエーリッヒや小官と親しい。ローエングラム元帥府では能力だけでなく心情面でも信用されていない可能性がある、その辺りを突いてみようと。まあ今でも結構居心地は悪いんじゃないかと思います、あの戦いの直後ですからね。先程、エーリッヒがブ
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