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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第三話 効率
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かったか。万一貴族連合軍が勝つ事になっても戦後処理に困らないようにしないとね。あの阿呆共は叩き潰す。まあ叩き潰すのはローエングラム侯だけど。こっちはそれに協力するだけだ」
「それがつまり餌ですか」
リューネブルク中将に言葉にエーリッヒが頷いた。とんでもない事を考える奴だ。
「帝国貴族四千家、餌には不自由しない。効率良く餌を蒔いて正規軍を釣り上げる。実際そういう戦い方しか出来ない。あの連中と正面から戦っても勝つのは難しいし長引けばジリ貧になりかねない。なにより貴族共が暴走して滅茶苦茶になりかねない。利用しながら潰していくしかない」
だから餌として利用して帝国軍の指揮官を釣り上げるか。餌の第一号がシュターデンとヒルデスハイム伯。釣り上げたのはミッターマイヤー大将……。なるほど、効率が良い、いや良すぎるな。遮音力場を使っていて良かった。こんな話、兵達には聞かせられない。
「レンテンベルク要塞に立ち寄りシュターデン大将をこの艦に収容する。アントン、準備をしてくれ」
「本気か?」
「本気だ。直ぐにローエングラム侯が来る。怒り狂っているだろうからね、早めに収容しないと酷い事になる」
「……」
おやおや、シュターデンを心配しているのか? さっきまではシュターデンなどどうでもいい様な口振りだったが。エーリッヒが俺を見た、視線がきつい。
「勘違いするな、シュターデンなどどうでもいい。だが彼の率いる艦隊は未だ六千隻程有る。それをガイエスブルクに撤退させろと言っている。シュターデンを収容しなければ彼らは撤退出来ない。このままだと無意味に失う事になるぞ」
「なるほど、狙いは艦隊か」
「そうだ、シュターデン大将はおまけだ」
リューネブルク中将が“酷い話ですな、シュターデン大将はおまけですか”と言って笑い声を上げた。兵達が談笑する俺達を見ている。兵達に笑顔が有る、エーリッヒが元気を取り戻したと見て安心しているのだろう。遮音力場を使っていて本当に良かった……。
「レンテンベルク要塞には艦隊が配備されているが連中は如何する?」
問い掛けるとエーリッヒが顔を顰めた。
「レンテンベルク要塞は難攻不落とは言い難い代物だ。本当は全部ガイエスブルクに引き揚げさせた方が良いんだが……」
「難しいでしょうな、あそこにはオフレッサーが居ます」
リューネブルク中将の指摘にエーリッヒが大きく息を吐いた。なんだってあの野蛮人、あんなところに籠っているのか。死ぬ気か?
「それに撤退が間に合うかという問題も有る。一つ間違うと追い付かれてローエングラム侯の追撃を受けかねない」
「有り得るな、今頃は頭から湯気を立ててこっちに向かっているかもしれない」
エーリッヒが“卿は嫌な事ばかり言うな”と文句を言ってきた。ローエングラ
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