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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第一話 動乱の始まり
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の問い掛けにエーリッヒが頷いた。
「ローエングラム伯か、或いは参謀長のオーベルシュタイン大佐か。最初から陛下を殺害するつもりだったかもしれませんね。ローエングラム伯は十分に力を付けた。……陛下が亡くなられた以上次の皇帝を決めなければなりません。ブラウンシュバイク公爵家とリッテンハイム侯爵家は競合する立場になる、協力は出来ない」
「……」
「そしてリヒテンラーデ侯、彼は外戚に権力を渡す事を恐れている。危険だと考えているし自らの保身も有る。彼は間違いなくローエングラム伯と組んで我々を抑えエルヴィン・ヨーゼフ殿下を皇帝にしようとする。或いはローエングラム伯がそういうふうに誘導する……」
呻き声が起きた。
「陛下の御遺体を改めよう。自然死でないと分かれば……」
「グリューネワルト伯爵夫人に疑いが向く、伯爵夫人が犯人と分かればローエングラム伯もその地位には居られない」
アンスバッハ、シュトライト少将が提案した。皆が頷く中、エーリッヒが“無駄ですよ”と言った。
「私が言ったのは推測でしかありません。証拠が有れば良いですが無ければブラウンシュバイク公爵家が窮地に陥ります。それに……」
「それに?」
俺が問い掛けるとエーリッヒは微かに笑みを浮かべた、冷たい笑みだ、冷笑だろう。
「真相など暴いてもリヒテンラーデ侯にとっては何の意味も無い。私がリヒテンラーデ侯なら調べた上で何もなかったと発表する。そしていずれローエングラム伯を排除する時に使う。それはブラウンシュバイク、リッテンハイム両家をローエングラム伯を使って潰した後だ」
呻き声が起き“何という事だ”とブラウンシュバイク公が呟いた。
「さてと、忙しくなるな、準備をしないと」
エーリッヒが立ち上がった。何処か楽しげだ、浮き浮きとしている。
「何がだ? 何が忙しくなるのだ? 準備とは?」
「戦争ですよ、公。貴族連合軍対政府軍、我々は反乱軍となってローエングラム伯率いる宇宙艦隊と戦うのです。銀河最強の軍隊と戦う、なかなか楽しい未来だ」
皆が黙り込んだ。
「避ける方法は?」
ブラウンシュバイク公が低い声で尋ねた。
「有りません。たとえ公が避けようとしても周囲がそれを許さない。貴族達は皆、エルヴィン・ヨーゼフ殿下が皇位に就くのを認められない、殿下をリヒテンラーデ侯とローエングラム伯が支えるのが認められない。必ずブラウンシュバイク、リッテンハイム両家を担いで政府を倒そうとします。彼らを説得出来ますか?」
「……難しいな」
ブラウンシュバイク公が溜息を吐いた。
「そしてリヒテンラーデ侯とローエングラム伯はそういう貴族達が目障りなのです。たとえ公が説得に成功しても必ず挑発して叩き潰しにかかります。堪え性に無い貴族達には耐えるの
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