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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百五幕 「若人よ立ち上がれ」
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と金の光沢を得た形に、手首と足首には光の輪が形成され、腕輪のように付随している。

頭部のヘッドギアは、その鬼の角のようだった棘が伸び、本物の角のように長く伸び、力と神性を象徴する霊獣の角を彷彿とさせる。

そして、その神々しい鎧を身に纏った少女は――

《――今の主に合わせるならばこんなものか。人の身体とは動かし辛いものだ。………では、参ろうか。我が主に”佐藤さん”と呼ばれる者よ》

エコーがかかったような、しかし凛とした声で、鈴ちゃんはこちらを向いた。
その身体は未だに炎を纏っているかのようにうっすらと橙色に輝いている。そして何より、気配や雰囲気が全く違う。

「貴方は、誰ですか?参るって――」
《それを語る(いとま)は、今はない。主がベルーナと呼ぶ男を救うには、佐藤さんの力が必要だ》

その言葉には優しさというか、柔らかさのような――人の心を鎮めるような美しさがあった。
が。

「……って貴方も私をさん付けですかッ!?というか鈴ちゃんの深層意識でも私はさん付けですかッ!?」
《汝の名は既に神性を帯びておるようだ。ならば敬意は払わねばならん》
「日本で結構ありふれた苗字と名前の筈なんですけどぉぉぉーーー!?!?」

測らずとも佐藤さんの緊張の糸はぐにゃぐにゃにほぐれることとなった。



 = =



ぺらり。
紙をめくる音が一度、部屋に響く。
ぺらり。
また一度、紙がめくられる。

「………………」

その音の主、座布団の上で胡坐をかいたユウは、私物である古めかしい書物をめくり続けていた。
その表情は険しく、眉間のしわは普段のさわやかそうな印象とはかけ離れている。
ぺらり。
ぺらり。
ぺらり。
やがてそのめくり速度は加速度的に上昇していき、最終的にはパラパラ漫画を見るような速度でめくり切った後、疲れたように後ろへぱたりと倒れこんだ。

「だーっ!!もう、なんで昔の僕はこんな頭の悪い漫画家が考えたような奥義リストを信じてたんだぁぁーーっ!!」

両手両足をじたばたと動かして悶絶するユウ。
めくるページの一枚一枚が今となっては黒歴史。読み返せばそれだけ昔の自分を抹消したくなるという恐ろしい苦行にとうとう耐えられなくなったユウは、その黒歴史がいっぱいに詰まった本を放り出した。

読者の皆さんは覚えているだろうか。

中学時代、全身全霊の反抗期だったユウは実家の書斎で埃をかぶっていた「貴家(さすが)流」という謎の拳術の指南書を発見し、それに記された奥義とやらを本気で体得しようとしていた。だがその奥義の内容は余りにも現実離れしすぎていて体得など不可能に近く、結局ユウは戦いのいろはもよく分からないまま兄と大喧嘩。そして一方的に敗北。
ユウの人生の目標の大きな転
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