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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百五幕 「若人よ立ち上がれ」
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下さい!!』
《T-αPulseの異常増大を確認。マスター、来ます》
「へ?来るって何が?」

きっと来る呪いのビデオの人?と言いかけたけど、レーイチ君は真面目だった。

《その殺生を好まぬ気質故に、最後の最後まで他の四霊と交わることの無かった孤高の超機人が》

――超機人??
聞き覚えのない単語だ。少なくとも私の知っているものではない、と思う。
流石にコンピュータが中二病を発現するとも考えづらいと言う事は――

「私はどうすればいい?」
《見守りましょう。彼……いや、彼らの目覚めを。》

速度を落とし、とうとう停止した鈴ちゃんの近くへとISを寄せる。念の為、攻撃されても回避できるギリギリの距離を保ちつつ、静かに接近。
きっとこれから原作には欠片もなかったことが起きるのだろうという警戒。鈴ちゃん大丈夫かなという不安。そして未だに助けることの敵わないベル君。色んな気持ちが緊張になって心臓の鼓動を加速させる。

(せめて私の手に負える事態でありますよーに……)

と、願ったその瞬間。
鈴ちゃんの口が小さく開き、うわ言のように何かを呟いた。


「必……神……火、帝……天魔、降伏………麟王、合体」


その言葉を言い終えると共に、彼女と甲龍が一瞬で炎に包まれた。

「り、鈴ちゃんッ!!」
《落ち着いてくださいマスター。あのIS操縦者のバイタルはいたって健常です》
「で、でも燃えてるじゃん!科学忍法並に燃えてるじゃん!!」
《科学忍法なら中の人は大丈夫でしょ》
「ううっ、そりゃそうだけどさ!山田先生も馬鹿博士も何か言うことないんですか!?」
『あの炎……朱雀のそれに似てるけど、あれよりも存在感が……』
『うん。流石は四神より格上…………………って誰が馬鹿博士かこの成金羽女っ!!周囲の人に結構馬鹿呼ばわりされる所為で反応遅れちゃったよ、クソが!!』
「鈴ちゃん……無事でいて」
『無視しやがった!世界の束ちゃんを無視しやがった!!』

もしこの場所に実況中継の人がいたら『あーっとここで主導権が佐藤さんの方へ大きく傾いた―っ!!』とか言っている所だろうが、今の佐藤さんは本気で心配している。
あの炎が収まった先に燃え燃えキュンっとこんがり鈴ちゃんが待っていたなんて死んでも御免である。前世で言えば娘くらいの年齢になる女の子が苦しんでるかもしれないと思うと、今にも炎の中に飛び込みたくなってくるくらいだ。

やがて佐藤さんの願いが届いたように、炎が剥がれるように消え去る。
その姿を再び確認した私は、絶句した。

鋭角的な非固定浮遊部位はしなやかな曲線へと変化し、燃盛る炎を連想させる翼のようなパーツが伸び、衝撃砲も金色を基調とする洗礼された形へと。

腕も、脚も、前よりも生物的なしなやかさ
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