暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
フェアリィ・ダンス編 哀しみを背負った男達
葛藤と道中とスイルベーン
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ね」

ライク、アシムレイトロイドNo2・Likeの能力は、クライが知る限り一つだけ。

「透明化で何ができるんだよ?」

「この前、能力が覚醒したんだよ」

「どんな能力だ?」

「ん」

・・・?何した?周りを見ても変わった様子はない。しかし、時計を見て気づいた。

「時間が進まない?まさか・・・時を止める!?」

「いや?違うよ。時間を《隔離》したんだよ。《時間隔離》、それが私の新しい能力」

とんでもない能力を、この幼女は手にしたもんだ。

「このまま行けば・・・・」

アイツを、殺せる。

「しかし――――首領たちは何がしたいのかしら?」

唐突に、愛が口を開いた。

「あの事件があってから十年・・・。そんなタイミングで、今更ライダー狩りよ?おかしいじゃない」

「別にいいじゃんか。アイツを殺せるんだから・・・」

「じゃあ・・・じゃあ、あなたが十年探しても見つからなかったsorrowが、何で今更現れるの?おかしいじゃない!!」

突然声を荒げたせいか、ライクがひいっと声を出して服の袖を掴んでくる。

「おかしいのよ・・・何もかも。だって・・・開発者は私たちを・・・失敗作だって言ったじゃない!
何で今更・・・もう戦わなくても良くなったのに・・・」

「ライダーを世界から呼び寄せる能力しかくれなかったじゃない。怪人達をよこせば早いのに・・・。
私達は所詮、あいつらにとってはちっぽけな存在なのよ・・・きっと」

愛が泣いて崩れ落ちた。俺は背後から手を回す。

「大丈夫だ」

何が・・・と、愛が、か細い声を漏らした。

「ちっぽけな存在?そんなのは、あいつらにとっての話だ。俺にとってはお前は全然ちっぽけなんかじゃない。ちっぽけな存在なら・・・俺が守ってやる」

「だからさ、生きろよ」

俺はゆっくりと愛を立たせ、椅子に腰かけさせる。

「なぁ・・・ひとつ聞いていいか?」

「・・・何よ」

「何でお前・・・顔赤くなってんだ?」

へっ、と変な声で愛が顔を隠す。それを横目に、ライクが言った。

「にーちゃん・・・大胆だよねぇ」

「何が?」

俺はそういうと自分の部屋に戻り、支度を始める。服を着替え、武器のチェック。特にアシムレイトロイド専用武器、象徴(シンボリック)武器(ウェポン)念入りに確認して、玄関の前に立つ。

「じゃあ・・・行って来るわぁ」

「いってらっしゃい、にーちゃん」

玄関を開けようとすると、愛が言った。

「生きてね・・・」

「生きるさ・・・・絶対に」

そう言って俺は玄関を出た。

待ってろ。お前が名前を変えようとも。俺はお前を探し出す。そして・・・殺してやる。



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