SAOの終演
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数撃切り込む。
「てやぁあ!」
その後ろから追撃でアスナが無数の突きを放ち、
「ふっ!はぁっ!はぁ!」
ヒースクリフが攻撃した。
だが、北見のHPに変化は見られない。
当たり前だろう。
お互いに無敵なのだから。
しかし俺の狙いはHPを減らすことではなく、拳を叩き込むことである。
「こいつで……どうだ!」
俺は体重をのせて拳を振り下ろし、北見の鳩尾へとめり込ませた。
「ぐおぉ!」
北見は地面に陥没して、俺達は警戒で距離をあける。
見れば北見のHPは半分ほど減っており、作戦は成功したことを表していた。
「今お前に打ち込んだ拳には強制的なシステムダウンが仕込まれていた。
これはお前に対するシステム補正が一切働かないようになっている!」
現実にてこうなることを見越して組み上げたプログラムだ。
これなら無敵属性の敵も攻撃が通るようになる。
「さぁすがだよ拳士君!
ならば第二フェイズへと移ろうじゃないか!」
そう言うと北見は腕を振り、素早い手付きでコンソールに何かを打ち込んだ。
そして空中に現れる何かの表示。
これは…まさか――――!
「ペインアブソーバーを0へぇぇぇぇ!」
「全員攻撃を受けるな!
受けたら現実に影響が出るぞ!」
ペインアブソーバー。
フェアリィ・ダンス編でキリトが苦しむ素養の一つ。
それが0ならば、現実の体にも影響を及ぼす危険なシステムだ。
「来るぞ!」
「ひゃははぁ!」
北見は体制を低くして走り出す。
まるで世間で言われるウェスカーダッシュのようで、瞬き一つで目の前まで接近される。
「キリト!」
北見の狙いはキリトだった。
「ぐぅ…ぼぁ…!?」
キリトの腹部に打ち込まれた拳がメリメリと音をたてて食い込み、
次の瞬間には壁にたたきつけらていた。
「アスナはキリトの介護を頼む!
クラインとエギルはヒースクリフの護衛!
頼んだぞ!」
そう言って俺は北見に向かって走り出す。
「思えば君は不思議だったぁ!」
北見は俺を迎撃するために向き直り、拳を振り上げた。
「中学生の分際で我々の研究所に入り浸りぃ!」
素人のような殴り方で、ブンブンと拳を振るう北見。
俺はそれを避けながら北見の言葉に耳を傾けた。
「余計なアドバイスで我々の仕事を邪魔するぅ!」
「ふっ!ぅうらっ!」
北見は敵意むき出しで俺を睨み付け、それでいて凶器に染まった顔をしている。
もはや救いようがない人間のそれで、俺は覚悟を決める。
「現実に戻れば何事もなく生きているぅ!お前は一体何なんだよぉ!」
「神様ボディ嘗めんな!
中学生ごときにアドバイスされるあんたら大人
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