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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十九話 暴かれる神話
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 このミラはどこか人間に冷たい。

「実験海域近くを航行していた豪華客船ジルニトラ号は遭難。リーゼ・マクシアに迷い込んだ。船の乗客が生まれ故郷に帰るために始めた活動がアルクノアの前身となる。アルヴィンやメイス、ジランドがそれだ」

 パーティにはあらかじめアルヴィンの素性は明かしておいた。反応したのはア・ジュールの連中、特にプレザだ。アルヴィン、元恋人にも自分が異邦人だと明かしてなかったのか。

「ンじゃテメエらアレか? 帰省ついでにあたしらの国を植民地にしてやろうって腹積もりなのかよ」
「んなもん興味ねえよ!!」

 礼拝堂がビリビリと震えた。アグリアもプレザも、イバルたちも面食らっている。――アルヴィン…君は…

「俺たちは帰りたいだけだ。20年だ、20年も、常識も、言語も、人種すら違う世界に閉じ込められてたんだぞ? それ以外なんて望むもんかよ。俺からすりゃあジランドの派閥だけ迷走してるようにしか見えないんだ。わざわざエレンピオスから軍を呼び寄せるなんてマネ…… !」
「な、なに、アル、心当たりがあるの?」
「異界炉計画だ……」
「ぁあ? 何だそれ」
「俺の従兄は黒匣(ジン)の研究開発を仕事でしてる。その従兄から聞いたことがある。端折って言うと黒匣の燃料である精霊を捕まえるって計画だが、ジランドはそこから飛躍したんだ。アイツは霊力野(ゲート)を持つリーゼ・マクシア人も囲い込んで、諸共燃料にする気なんだ!」

 ダン!!

 ガイアスが剣を床に叩きつけた。

「リーゼ・マクシアの民を資源とするつもりか――馬鹿げたことを!」

 その「馬鹿げたこと」をやらなければ生き延びられないくらい、エレンピオスは追い込まれているんだよ。リーゼ・マクシア人の君たちには理解できないだろうがね。

 とにかく、今後の方針は我々とア・ジュール組で一致した。
 リーゼ・マクシアを燃料庫代わりにしようと目論むジランドの阻止。

 協力を、と呼びかけたが、ガイアスはミラが気に入らないらしく拒否した。……どうせ頼りにしているくせに。情報を共有させたのがその証だ。

 とはいえ、私にとっては規定事項でも、イバルやエリーゼには情報を整理する時間が必要だろう。
 ここらで一度インターバルと行くか。
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