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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十八話 この手をすり抜ける
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 一時的な静寂が訪れる。

 戦艦の砲台が地上を向く。その標的の中には、もちろんジャオも含まれている。

「ジャオさん!」
「よせ! フェイリオ!」

 くっ…届かない…! 砲撃で上がる土柱のせいでフェイリオとの距離が縮められない。フェイリオは私の手をすり抜ける。

 仕方……ない。仕方ないんだ。別行動になるが、空爆程度ならあれは何とでもできる。

「エリーゼ、イバル! 離脱するぞ!」
「妖精は!」
「フェイなら大丈夫だ!」

 背の低い二人を押して走り出す。イバルもエリーゼも不安げにふり返ったが、留まるデメリットを察してか駆け出した。

 制空権を取られていてはこちらにできることなどないに等しい。何を措いてもまずはこの戦域を離脱しなければ。

「はっ、はっ!」
「はぁ…あぁ…!」『コワイよー! コワイよー!』

 もう少し頑張ってくれ、エリーゼ、ティポ。

 ――だが、そう簡単に逃がしてくれるほど、エレンピオスの軍事力は易しくはなかった。
 5メートルとない後方で火柱が上がった。衝撃波をモロに背中に受ける。

 とっさに前を走っていたイバルとエリーゼを腕の中に抱え込んだ。
 骸殻発動、100%――!
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