第七十二話
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「ショウキ!?」
リーファに続いてショウキまでもが、この世界から突如として消え失せる。それもリーファのようなログアウトではなく、ショウキの方は操作をすることのない、外部からの強制ログアウト。
「リーファちゃんに……ショウキさんも? どういうこと?」
残されたのはあたしにレコン、キリト。二人の予期せぬログアウトに、ここにいる誰も理解が追いつかない。分かるのはリーファがキリトの妹で、ただならぬ様子でログアウトしたということ。ショウキの方は……分からない。
「ああ、もう……!」
理解の追いつかない怒涛の展開に、ショウキが困った時と同じように、つい髪をガシガシと掻いてしまう。リアルではやらないようにしようと思いつつ、まずはショウキに連絡を取るために、ログアウトを――
「…………」
――しようとして、やめる。先程までのあたしと同じように、慌てながらもリアルで連絡を取ろうとしているレコンの腕を掴み、無理やりそのログアウトを止める。
「待ってレコン。ログアウト、キリトにさせてあげて」
レコンを止めながら、唯一その場で行動を起こそうとせず、立ち止まっていたキリトにそう言ってのける。ログアウトする時のリーファの様子は、他人が関わる事情ではないことぐらいは察せられる。彼女がキリトの妹だというのなら、今のリーファに関わることが出来るのは、兄であるキリトだけだ。
「アスナのことが気になるのは分かるけど、リーファの様子も尋常じゃなかった。行ってあげて、キリト」
「……キリトさん」
レコンもそのことはもちろん分かっているらしく、少しの間あたしの腕から逃れようと抵抗しようとしていたが、最終的にはシステムメニューを閉じてキリトの方を向く。すると、そのままキリトに対して頭を下げた。
「……さっきは胸ぐら掴んじゃってすいません。リーファちゃ……直葉ちゃんをお願いします」
「……ああ」
レコンにそう言われるまで、苦々しく顔を歪ませていたキリトだったが、そう肯定するとログアウトするべくシステムメニューを呼び出す。アスナの手がかりである世界樹が目の前にあるとは言え、妹のことを放っておける訳もなく、リーファとショウキに続いてこの世界から消えていく。
そして、この央都《アルン》にはあたしにレコン、ユイだけが残される。
「ごめんねレコン。貧乏クジ引かせちゃって」
「別に……いいよ。大丈夫……」
今からでもリーファのもとに駆けつけていきたいだろうに、口だけそんなことを言うレコンに心中で苦笑する。一瞬でも目を離すとログアウトしそうな様子でそわそわしていて、後で何かレコンにはお詫びをしなくては……と思っていると、あたしの目の前にユイが飛んできた。
「それより、リズさんはショウ
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