第七十二話
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キさんのところに! 強制ログアウトなんて……」
「そ、そうだ、ショウキさん!」
リーファのことが心配で、本気でレコンの脳内からショウキのことが忘れられていたらしい。クスリと1つ笑うと、二人に宣言する。
「大丈夫」
その一言にポカン、と言った様子のユイとレコンが取り残される。……もちろん心配してないわけじゃないけど、ショウキに連絡を取るよりあたしたちにはやるべきことがある。
「ショウキは大丈夫。それより、三人が戻って来るまで、あたしたちにしか出来ないことをやらないと!」
三人が帰ってきた時に驚かせないとね――と言葉を続けると、三人で顔を見合わせてそれぞれやるべきことを考える。キリトたちが帰って来た時には、もう《世界樹》の攻略が始められるように、と。
「リズちゃんは……」
「ちゃん、じゃない」
さて、あたしたちでやるべきことを決めて、それぞれ飛び立とうとした時に。キリトのポケットの代わりに――と言っては何だが――ユイを肩に乗せたレコンが、おずおずと話しかけて来た。よってニコリと笑顔で訂正すると、何故か怖がらせてしまったようだけれど。
「あの水路の時もそうだけどさ、何でそんなにショウキさんのことを大丈夫、って言い切れるの?」
アルンに来る時の水路でウンディーネにショウキがやられ、川に流されて一時離脱した時も、言われてみればそんなことを言ったような気がする。ショウキが来る前に倒して、ショウキに吠え面かかせてやる――とか何とか。あの時そう言ったのは、自分とレコンを鼓舞するのが主目的だったけど、改めて問われるとすぐには答えられなかった。
「うーん……いざ言われると難しいわね……って、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
どうしてショウキのことを大丈夫だって言い切れるのか、ログアウトして駆けつけるほど心配してないのか。そう聞かれると少し考え込んでしまったが、すぐにそんなことを問答する暇ではないことに気づく。
「あんただって、リーファの為なら自爆するぐらいの気持ちはあるでしょ? ――それと同じ!」
急いで口から飛び出した言葉は、我ながら意味が分からないアドバイスだった。それだけ言い残すと、あたしは背中の翼と左手の補助コントローラーを操り、目的地へ向かうべく大空に飛翔する。取り残されたレコンも、ユイに促されて別方向へと飛翔していく。
「どうしてショウキのことを大丈夫って言い切れるか、か……」
飛翔しながらも、レコンに問われたことを小さく呟く。羽や風の音に混じり、消え去りかねないほどの声だったけれど、発した本人であるあたしの耳にはしっかりと届いた。
あのデスゲームの二年間において、ショウキやキリト、アスナのように最前線で戦っていた訳じゃないけれど、あ
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