第四章 誓約の水精霊
幕間 ルピナス
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「……馬鹿な……男だね、本当に……」
馬鹿だ馬鹿だと言っている口元には、苦笑が浮かんでおり、男に近づくごとに、その笑は強くなる
「全く……私はあんたの母親じゃないんだけどね……」
苦笑は……いつの間にか、優しい笑顔になっていた
「そんな姿を見たら……」
それはとても優しく……
「抱いてあげなくちゃならないじゃないか」
愛に満ちた笑顔
男を想う気持ちが身体に満ちた瞬間
「あ」
何かの予感を感じ、思わず振り向くと
「花が……」
花畑の端にある。今にも咲きそうだった花が開き始めていた
「咲いて……」
その時、分かった
「ここは」
周囲を見渡す
「この……世界は」
丘から見る光景は、とても悲しげなものであった
「シロウの……」
赤い荒野に刺さる剣は、まるで墓標のようであり……
「……こころ」
男の姿が墓守のようだった……
涙が頬を一つ流れ……
乾いた地面に落ちると……
それに合わせたかのように……
花畑の端、一輪の花が……
花を咲かせた……
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