空白期 第22話 「レーネの相談」
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に育ってほしくないのも。
「その、今日相談したいことというのは……まあショウに関することではあるのだが……」
話し始めたと思ったら、ずいぶんと歯切れが悪いわね。いつもは淡々と挨拶からセクハラ発言までするのに。
それに何で顔を赤くしてるのかしら? ……慣れない化粧をしたから熱でもあるとか。普通の人ならあれだけど、この人だったらそれでも納得する私がいるわね。
「そのだね……」
「レーネさん、別に無理して言う必要はないと思いますよ」
「いや、言うよ。私から持ちかけた話だからね……そのだね……実は」
「うん、ゆっくりでいいからね。レーネさんのペースで話して」
……シャマルさんも桃子さんも優しいわね。昔からの知り合いとしては、さっさと言いなさいって気分なのだけれど。でももう私も良い大人、ここで感情を爆発させて場の空気を壊したりしない。
「実は……あの子に母親になってほしいと言われたんだ」
レーネの発言に、彼女の普段と違った態度や相談したいと思った気持ちが理解できた。それと同時に、ショウくんに対して並々ならぬ想いが湧き上がる。
――あの小さくて泣きじゃくってた子が……再会したときには歳不相応なほど落ち着いてて。でも時折子供らしい顔もして。大人の言うことは素直に従う子に見えて……大切な子のためになら全てを投げ出すところもある。立場上注意するしかなかったけれど、男の子らしくて喜んでる自分も居たわね。
私は生まれたばかりの彼。両親を亡くした頃の彼、そしてジュエルシードを巡る事件から今までという断片的にしか知らない。でも彼が傷つき、悩みながらも強く成長してくれたことは分かる。そうでなければ、自分から養子になりたいなんて言えない。
思わず涙ぐみそうになってしまったが、今日すべきことはレーネの相談に乗って今後の彼女達をより良いほうに導くことだ。話の腰を折るわけにはいかない。
「そうなんですか。確かに今後に関わる重大なことですし、相談したくなるのも分かりますね」
「そうね……でもショウくんから言ってきたのよね? レーネがショウくんのことを嫌ってるようには見えない……ううん、自分の子供のように大切に思っているのは言わなくても何となく伝わってくるわ。もう答えは出ているんじゃないの?」
私の問いかけにレーネは視線を逸らし、ぼそっと「それは……」と呟いた。この反応からして、少なからず母親になるかならないかの選択は済んでいるようだ。
「確かに……私はあの子のことが好きだ。最初は兄さん達の子供だから、ということで引き取りはしたが……今ではあの子がいない日常なんて考えられない。あの子がいないと私は死んでしまうのではないか、とさえ思う」
珍しく惚けずに素直に感情を出しているんでしょうけど、最後の部分がある意
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