第六章 正義の在り処編
第二百一話 『ヴォルフ・イェーガーの真の目的』
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。ある、目的のためにな」
「そのある目的って、なに………?」
「その前にシホ・E・S・高町………いや、シルビアよ。本来の姿に戻ったらどうだ? そうすれば私も正体を君に話そう」
その言い回しにシホは驚く。
本来の姿に戻れ………という事はシルビアの姿になれという事。
でも、
「どこで知ったの………?」
「さてね………」
とぼけるヴォルフにシホは「まぁいいわ」と言って一度目を閉じる。
《イリヤ………行くわね?》
《はぁ、わかったわ》
そう言ってイリヤに話しかけてとある作業を手伝ってもらう。
そして、
「………リバース。モード、シルビア………」
シホがそう呟いた瞬間、シホの朱銀色の髪が光り輝いて粒子を散らすように朱色の成分が抜け落ちていく。
そして先ほどまで朱銀色であったシホの髪は完全に銀色へと変わっていた。
しばらくしてシホは眼を見開く。
するとシホの特徴的な琥珀色の瞳はルビー色へと変貌していた。
つまるところはアインツベルン製のホムンクルスと同じく銀髪赤目の状態になったのだ。
その姿はかつてのイリヤの母であるアイリスフィール・フォン・アインツベルンとほとんどうり二つである。
当然だ。この体の素体はイリヤなのだ。
だから似ているのは必然。
「………では、話していただきましょうか。ヴォルフ・イェーガーよ」
しかも先ほどまでのシホの口調ではなく、喋り方はどこか貴族を感じさせる丁寧なものである。
そう、今シホはシルビアへと姿を変えているのだ。
いや、この言い方はおかしい。
シホとシルビアは魂を融合したのだ。
だからこの姿はシルビアでありシホでもある。
シホの時の姿もシホでありシルビアでもあるのだ。
少しややこしいが、まぁそんなところである。
「フフフ………会いたかったぞ。シルビアよ」
「私はあなたのことを知りません。できれば私を知っているわけを教えていただけませんか?」
「いいだろう。私はヴォルフ・イェーガーという名は偽りのもの。本名は『セヴィル・アインツベルン』。この右目の宝珠に宿っている意識生命体だよ」
そう言ってヴォルフ・イェーガーは右目を開く。
そこには確かに宝石が収まっていた。
しかしそれよりもシルビアは驚く。
「その名前は………ッ! まさか、セヴィルなのですか!?」
「思い出したかね? “姉さん”………」
ヴォルフ………いや、セヴィルはシルビアの事を姉さんと呼んだ。
つまりは、そういう事だ。
「し、しかしあなたは………!」
「そう……。アインツベルンの一族は予言でも危険視されて姉さんを残して全員が殺されてしまった………。でも、私は意識を宝石に転換してどうにか生き残ったのだ」
「セヴィル………ッ!」
そう言ってシルビ
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