第三十五話 セブンスミスト爆破事件
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りました、本当にありがとうございます」
「常盤台のお姉ちゃん、ありがとー」
未だにポケットからコインを出そうとしたままの体勢で固まっていたのだが、その御坂さんの後ろ姿を確認すると初春さんと女の子がお礼を言った。
「い……いえ……どういたしまして……」
「御坂さん、ありがとう」
御坂さん自身は何も出来なかったので答え方がおかしくなっているが、折角なので俺もお礼を言っておく。
「しかし、今回の爆弾は凄い威力だったわねー」
「そ……そうねぇ」
「今までの爆弾事件とは明らかに威力が違いますね」
俺がついでにもう一言加えると、ようやく自分の状況が理解できてきたのか御坂さんも相槌を打ってくれ、初春さんも周囲を見ながら同意してくれた。まだ煙が立ちこめているものの、周囲はだいぶ確認できるようになってきたので辺りを見回す。上条さんの立っていた場所から俺達が居た部分に関してはほぼ被害が無いのに対して、周囲は熱や爆風によって酷いことになっている。
「あ、そうだ! ねえ、あなたにあのぬいぐるみを渡した人って眼鏡を掛けた人で間違いない?」
「うん、眼鏡のお兄ちゃんがここに居る風紀委員のお姉ちゃんに持ってってくれって」
ようやく冷静さを取り戻してきたのか、御坂さんが女の子に犯人の特徴を聞き出す。確かアニメでは、あの褌蛙のぬいぐるみをゲコ太と勘違いしてがっかりしてたはずだから、以前にどこかで見ていたのだと思う。
「そう、ありがとう。……黒子っ!」
「到着したばかりですのにいきなり何ですの? お姉様」
御坂さんが女の子にお礼を言った瞬間、近くに白井さんが現れたのだが、その白井さんに御坂さんはすぐ声を掛けていた。
「犯人捕まえるわよ! まだこのビルの周辺に居るはずだから急いでっ!」
「は……はいですの!」
「あ、御坂さん……行っちゃいましたね」
多分白井さんは状況とか犯人とか全然分かってないはずなのだが、御坂さんに圧倒される形で御坂さんと一緒にテレポートしていった。初春さんが御坂さんに声を掛けようとしていたのだが、恐らくその声は届かなかったのだろう。
「他のジャッジメントかアンチスキルの人が来るまで待ちますか」
「そうですね」
「そうだな」
俺の提案に初春さんも上条さんも同意してくれたので、俺達はこの場でしばらく待つことにした。
「あ、あのー……貴方は?」
ただ待つだけだと間が持たないのか、それとも話しかける機会を窺っていたのか、初春さんが上条さんに話しかけた。
「あー、俺はその子の付き添いみたいなもんだ」
「ここまでお兄ちゃんに連れてきてもらったんだよ」
「そうだったんですか」
上条さんが女の子の頭に
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