第三十五話 セブンスミスト爆破事件
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「何でビリビリがそんなこと知ってんだ?」
「寮ではジャッジメントの子と同室なのよ!」
明らかに普通の人は知らない情報を知っている御坂さんに上条さんが尋ねると、ちょっと怒った様子で御坂さんが答える。そして、ようやく初春さんの居るフロアに到着した。
「こっち」
「お、居た」
初春さんの居る通路まで来ると、俺は初春さんの方を指差した。タイミング的には丁度女の子が初春さんにぬいぐるみを渡そうとしているところで、上条さんも女の子の姿を確認したようだ。しかし、初春さんは女の子からぬいぐるみを奪い取って後方へ投げ捨てた。
「初春さん!」
事態のヤバさを理解できたであろう御坂さんが声を上げる。
「逃げて下さい! あれが爆弾です!」
初春さんが女の子に抱きついて爆発から守ろうとする。
御坂さんは初春さんの所まで走って行き、ポケットからレールガンを撃つためのコインを取り出す。
しかし、ポケットから手を出した瞬間、御坂さんの手からコインが滑り落ちてしまう。
「なっ、しまっ!!」
御坂さんは落ちたコインを目で追うが、すでにぬいぐるみの収束は限界でコインを拾う時間すら無い。
御坂さんが走り出した直後に俺も上条さんも追いかけていたので、上条さんが爆風を防いでくれることは間違いないだろうと思っていたし、もしもの時には空間盾が即座に発動できるように準備もしておいた。それでもこの瞬間は本当に時が止まったのかと思うほどの時間に感じた。
上条さんが爆弾の方に右手を出したのを見て、俺は初春さんと一緒に女の子を爆風から守る為に覆い被さった。
直後のもの凄い爆音、いやこれを音と言って良いのだろうか、直接この世界そのものが叩かれたかのような衝撃。そして、上条さんの右手のおかげで爆風の直撃こそないものの、かなり強烈な爆風が周囲を抜けていった。
急激な気圧の変化に耳がキーンと鳴っている状態がしばらく続き、ようやく周囲の音が何となく分かるようになってきたので俺は初春さんに声を掛けてみた。
「初春さん、無事?」
「え……ええ、何とか」
初春さんも何とか聞こえる程度には聴力が回復したのだろう、答えが返ってくる。
「いやー、危なかったな。普通の爆弾だったらどうしようかと思ったけど、能力を使った爆弾で助かった。お、大丈夫だったか?」
何事も無かったかのようにとはいかないものの、爆発による煙の中から上条さんが姿を現して俺達を確認すると、女の子に向かって話しかける。
「うん、お兄ちゃん。ジャッジメントのお姉ちゃんが守ってくれたから」
女の子が上条さんに答える。
「今の……御坂さんが助けてくれたんですよね? 流石レベル5です! 助か
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