第三十五話 セブンスミスト爆破事件
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御坂さんが起こしたやつだよねぇ。それならそれをもう一回やってもらえば幾分は避難行動が早くなるだろうか。
「ねー、御坂さん。誰にも気づかれないように、ここら辺の電気をショートさせること出来ない?」
「え? あー、分かったわ」
俺が御坂さんに小声で頼むとすぐに御坂さんも気づいてくれたようで、壁際へと歩き出した。
「あれ、御坂さん、どうしたんですか?」
「いや、ちょっと……ね!」
佐天さんから尋ねられて、御坂さんはそれに答えつつ壁に放電をする。すると、このフロアの蛍光灯や電球がすべて消えたわけだが、御坂さんも当然加減は知っていて緊急避難経路を示す非常口の明かりなどはしっかりと灯ったままである。
「きゃー、何これ!? 本当にやばいんじゃない?」
「うん、早く出よう」
これまでのんびりしていた周囲が御坂さんのおかげで一気に動き出す。
「あー、なるほど……あはは」
その光景を見て佐天さんは俺のやりたかったことを理解したようだ。
「取り敢えず、避難誘導行きますか」
「そうね」
「はーい」
御坂さんの活躍もあって店内に居た人の避難は結構早かったので、避難が終わったことを初春さんへ連絡して俺達も外に出た。
「初春、大丈夫かな」
「そうね」
佐天さんが心配そうに呟いて御坂さんが答える。その間に俺は量子変速をセットしてセブンスミスト内の重力子を確認してみたが、爆発までは後数分と言ったところだろうか。
「おい、ビリビリ! あの子見なかったか?」
上条さんが走ってきて御坂さんに尋ねる。
「はあ!? 一緒じゃ無かったの?」
「店から出るまでは一緒だったんだけどな、店を出てから姿が見えなくなったんだ。もしかしたら、また店の中に戻ったのかも」
御坂さんが驚いて聞き返すが、上条さんも一度外に出たことで気を抜いてしまったのだろう。ただ、俺の場合はその少女が爆弾魔にぬいぐるみを渡されて初春さんに持って行くことを知っているが、上条さんは何を根拠に少女が店に戻ったと思ったのだろうか。
「何やってんのよ! しっかり見ときなさいよ」
「お、おい! 待てよ」
御坂さんが店に向かって走り出すと、上条さんも慌ててそれについていく。
「あの人、誰だか知ってる?」
二人が走り去った後で佐天さんが俺に聞いてきた。そう言えば佐天さんと初春さんは、まだ上条さんとの接点が無いんだった。
「うん、上条さん。騎龍とは知り合いだし、御坂さんも知ってるっぽいよ」
「そうなんだ」
騎龍としては知り合いだが姫羅とは面識が無く、上条さんは俺が男にも女にもなれるのを知らないだろうということで、このような説明になって
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