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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第15話 転換点
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状態となっていた。
そんな時だ―――ふと、あの頃に彼と交わした言葉を思い出す。
「そういえば、閣下はこの国には母性の神話が必要だと言っていましたが―――あの時、私は鼻で笑ったものです。」
「―――それはどういうこと?」
「ふっ簡単なことです。日本神話は伊弉諾と伊邪那美の両神の国生みを起源に持ちます―――父性と母性、その二つが揃いてこその神話。
神話が必要とされるのなら、母性だけでは足りない。父性も必要とされて当然――大和猛と乙姫のようにね。」
「ふふふ……!面白い話ね。崇継もさぞ驚いていたんじゃないかしら?」
「ええ、人を食ったような態度は変えていませんでしたが、言い返された瞬間、豆鉄砲を撃たれたハトのような顔をしてましたよ。」
その光景を見てみたいと言わんばかりに笑を押し殺す嵩宰恭子……日本の神話は男女の揃い踏みが多い。
それは日本神話の特徴として神が神同士、あるいは人との間に子を成し、世代を紡いでいくという縦の―――歴史的な物語として作られていることだ。
つまり、神もまた次代を紡ぐという性質が日本神話にはあり、そのため必然的に次代を作るために必要となる組み合わせが男女であるということだ。
「それからでしょうかね、閣下が私との接触を増やすようになったのは……」
「とんでもない男に目をつけられたわね。」
「構いませんよ、既に心の決着はつけました――戦場に戻れるのなら閻魔の目に留まるのも吝かではありません。」
「豪胆なのか無頓着なのか、評価に困るわ。」
「ふっ、良しなにお願いいたします。」
「ふふふ、まったく何様よ―――貴方に一つお願いがあるわ。唯依の事よ。」
もう冷めてしまった茶に彼女の凛とした真剣な表情が写るのだった。
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