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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第15話 転換点
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まだ、そうじゃないと云うべきでしょうか。
 武士とは、守るために戦う者です。俺には、全身全霊を賭して守りたい者は未だない……斯衛に入るにおいても、どうせ戦うのなら、という副次的な理由です。
 私は―――戦いを求める修羅。私は、私が武士となることを望みますが、どうして中々これが上手く行かない……戦う理由は腐るほどあるのに、胸にそれが落ちてこない。
 ゆえに、私に矜持があるとしたら、それは『武士の矜持』ではなく『修羅の矜持』です。」

 戦い続けよう――先に逝った戦友たちの戦いを意味あるものにする。それは最終目標ではなく途中通過点に過ぎない。
 戦い続けよう――この身が朽ちるまで。
 修羅道の先に守りたい刹那を見出したのなら、其処から守るべきものを守るための戦いの道、武士道が始まる。

 故に、斯の一生は生涯闘争。
 戦い続けることを求めし、定めし獣が如き一生。
 何よりも強くなりたい、何かを守れる存在になりたい――――戦い続けたい。

 亡くしてはいけない刹那があるから。
 亡くなったものは還ってこない、亡くしてからでは遅いから。

 絶対的な力がいる。戦いに対する嗅覚を極限まで養っておく必要がある。
 だからこそ、その刹那が見つからなくても戦い続ける。

 それが、今までに流れた血に対する責任であり、力を得たものの責務であり何より―――
 その刹那が見つかってから力を養ったのでは遅すぎるから。

 ―――戦う理由、それが後付で悪い理由が何処にある?
 今は未だ、修羅のままでいい。

 理由等なく、ただ戦いを求める鬼。修羅でいいのだ……今は未だ。


「成程ね……崇継には惜しいわね。貴方みたいに一つ一つに真剣な人間はそうはいないわ。」
「ふっ、聞かなかった事にしましょう―――そうですね、閣下とは武御雷開発時からの付き合いでした。
 当時、少佐だった閣下とは何度も模擬戦闘を繰り返しましたよ。まったく、あの人と遣り合うと神経が疲れる。」

 高性能だが、高出力故にピーキー極まるタイプR。
 低性能だが、その分若干扱いやすいタイプC

 基本設計を同じくしながらも正反対の特性を持つ二種の武御雷。
 一進一退で鎬を削りあった。
 しかし、動作データの蓄積と細かい改良、OSの習熟に伴い地力で勝るタイプRによって徐々に劣性に追い遣られていったタイプC。

 コストカットの影響から、無駄だという部分は容易く削られるのに必要という要望は中々通らない、通っても即座に他のタイプに反映されてと―――中々損な立場の機体だった。
 それに加え、衛士の習熟という要因も加わり乗っていたのがあの天才と名高い斑鳩崇継だ。

 最後のほうだと自分以外のF/Aの両タイプの武御雷に乗る衛士たちが束にもなっても勝てない
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